野生ゴマフアザラシと海ワシと流氷 2008年2月10日

2008年2月10日 晴れ 気温-8.1℃ 風速2m/s:7時

さて、昨日に引き続き、アザラシを中心に冬の羅臼を楽しんで行きます。本日は早朝5時発の観光船に乗って流氷の様子を見に行くつもりです。したがって午前4時くらいに起床!
午前4時に起床というと気の弱い私などは「宿の人に迷惑だよなぁ」と思っていますが、この日は観光船を出している会社の運営する宿に泊まっているので、 大手を振って4時くらいからごそごそ起きだします。周りの部屋に泊まっている人もどうやら早朝の船に乗るようで物音がします。とりあえず防寒具に身を包 み、防寒靴を履いて外に出ます。もちろんこの季節の午前4時は真っ暗。気温も氷点下です。しかし空は晴れているようで満天の星空が出ています。冬の酷寒の 地ですが、星は刺すように光っていました。
車に乗り込み、船が出港する羅臼港へ向かって出発です。港へは10分くらい。道路ががちがちに凍りついているので慎重に運転します。

真っ暗な港には結構な数の人間が集まっていました。船に乗る人、船を操る人立場はそれぞれですが賑やかなものです。観光船も合計3隻くらいは出るようで皆さんそれぞれの船に乗り込んでいました。午前五時頃出航です。


本日私が乗る船。2~30人くらいは乗れるのかな。
基本一階建てで、デッキの一部が2階になります。野付の観光船に似たタイプの船です。
本日は冬至よりは春分に近いとはいえ、まだまだ真冬。この日の羅臼の日の出は6時半くらい。出航後は真っ暗な海を進みます。

AM5:54くらいの海の画像。出航後一時間弱。羅臼港の付近には流氷は来ておらず流氷に向かって船は動きます。知床半島東方にある国後島の空がオレンジ色に染まってきます。気温も氷点下ですし、船が動いているので風も強い。室外の体感温度もとても低いです。

船を動かすこと一時間余り。ようやく流氷の塊に遭遇です。流氷に近づいた途端、気温がぐっと下がったように感じました。気のせいかな…。
写真は知床半島側を写したものです。右側には灯りが映っていますがこれは羅臼の街の明かりです。

6:08の画像。国後島方面方向。刻一刻と太陽の光の強さが増していきます。
この日の羅臼は晴れ~快晴。絶好の流氷、野生動物観察日和になりそうです。

動画(779KB)

6時半頃の写真。国後島からの日の出です。
流氷の上にうじゃうじゃ群れているのはオオワシとオジロワシ。カラスではありませんよ~(^^;この写真のうじゃうじゃの9割くらいはオオワシ。この季節の羅臼の海に彼らは集まってきます。

夜明けです。知床半島側に雲ひとつ無い快晴。
一際高い山は羅臼岳(1660m)。


朝陽の中、流氷の上で餌を摂るオオワシ。
日本で見られるワシタカ類の中では最大の大きさ。大きな黄色い嘴と黒と白のツートンカラーが特徴です。北海道には冬鳥として渡ってきます。

動画(882KB)
すっかり夜が明けました。流氷の上にオオワシとオジロワシが写っています。
オオワシがごしゃごしゃと写っていますが彼らは世界にも5000羽ほどしかおらず日本でも天然記念物に指定されております。

オオワシ。翼を開くと2m~2.5m以上になります。黒と白のツートンカラーと大きな嘴が特徴。太い足に大きな爪を持ちます。天然記念物に指定されております。流氷の海では魚を食べています。
美しくかっこいい鳥です。見る人を魅了する鳥ではないでしょうか。

オオワシとならんで流氷を象徴する鳥であるオジロワシ。オオワシより若干小さめですが、それでも翼を広げると2m超です。写真のように色は地味ですが名前 の通り尾が白くなっております。(左の写真のオオワシもケツの羽が白やん!と言うことは言わないように。オオワシもケツの羽は白です。)彼らも天然記念物。オジロワシも魚を 食べており、オオワシと獲物を奪い合うこともしばしば。
このサイトはアザラシのサイトですからワシの話はこの辺にします。(ワシが気になる方は下部にワシのコーナーを作っていますのでそちらも読んでいただければ幸いです)

そうこうしているうちに、船員の方よりアザラシの群れが見えるとの情報が入ってきました。船の2階デッキに駆け上がり双眼鏡で辺りを見回すと。。。。
いました!500m以上は有ったと思いますが、確かに流氷の上に転がる黒っぽい姿をしたアザラシの群れを発見しました。


アザラシの色合いと周りの流氷との大きさの比較、そして羅臼という土地柄、群れを作って転がっているという状況からゴマフアザラシだと思います。
このアザラシの群れは50頭くらいがずらっところがっていました。


双眼鏡で観察すると、前足を振り上げたり、頭をひょこひょこ上げたりする様子が観察できたのですが、写真にすると厳しいですね。私のデジカメではこのくらいが限界です。。。

この写真ではアザラシのそれぞれの姿というか転がり方が見えるのではと思います。
奥側を向いたり、そっぽを向いたり、転がりながら首を上げてこっち側を向いているものなど思い思いに転がっているようですね。

流氷の上のアザラシ。


たくさんのオオワシとオジロワシが群れる羅臼の流氷の海。アザラシも含め多くの動物が暮らしています。

流氷域を離れ、帰港するかと思いきや船が変な向きに進んで行きます。不思議に思っていると、アザラシの群れが遥か遠くに見えてきました。船長の粋な計らいでアザラシの群れまで最も近づけるところまで船を回してくれたのでした。

アザラシの群れは流氷原の真ん中にいる一方、船は流氷の縁に沿って進むので思いっきり近づいてもこんなもんです。
遥か遠くにアザラシがずらっと並んで転がっていました。

画質は悪いですが流氷の上のアザラシたち。

今度こそ流氷から離れ羅臼の町に戻ります。海は青々としており、天気は快晴。羅臼岳がきれいに見えています。

本日乗った流氷観光船。
羅臼の流氷観光船は何隻かあるようですが、いずれも網走のおーろら号や紋別のガリンコ号と違い小さな船です。砕氷能力は紋別や網走の船に比べ劣るとおもい ますが、小さな 船であるが故に野生動物にも上記船より近づけるのかもしれませんね。なにより少人数なので紋別や網走の砕氷船より落ち着いて流氷や動物を見られるのがよ かったです。

 

羅臼港。岸壁も凍りついています。
日は完全に登り、きれいな青空。
船を下りたお客さんは思い思いの方向に散っていきました。

羅臼の港に戻った後は私は宿に一旦帰り、朝食を摂ります。冒頭にも書いた通り、私が泊まっているのは流氷観光船の系列の宿。宿に戻ると心得ているおかみさんが迎えてくれ、 温かい朝食が用意されております。いやー、氷点下の海に出た後では何物にも換えがたい暖かいサービスです。ありがたいですね。

ご飯を食べ終わって宿を出発した時が10時過ぎ。早起きした分、一日が長く使えます。まずは野生のアザラシどもを発見すべく知床半島沿いに車を 進めます。朝の航海では氷の上にも転がっているのを見つけましたし、天気もいいので、丹念に探せばどっかに転がっているだろ~ってなもんです。

車を走らせて暖かい陽気の中(と言っても氷点下なのですけどね)ドライブです。車を走らせること20分くらい、、、いました!ゴマフアザラシが数頭、岩の上で転がっております。


海から突き出る岩場に転がるアザラシです。
これもゴマフアザラシですね。

車を降りて海岸に出ます。
付近の岩にももう2頭転がっていました。

動画(821KB)
この岩場には4頭が上陸しておりました。
上陸アザラシに満足してあまり周りの状況は確認しませんでしたが何頭かひょこひょこ海から頭を出しているアザラシもいたようです。

この背景の山は国後島最高峰の爺爺岳(チャチャダケ、何げに難読地名ですね)。この山は火山でなんとも不思議な形をした山です。
例えるならば富士山の七合目くらいから上が全部吹っ飛び、吹っ飛んだ部分から一合目くらいが生えてきたような山容。爺爺岳は1822m。北方領土の最高峰です。

知床半島のゴマフアザラシ。乾いてふかふかな体毛になっています。真冬ですがこの日は暖かい穏やかな日差しが降り注いでいました。

暖かい日差しに半睡状態のようです。

国後島とゴマフアザラシ。

時々ふと顔をあげて周囲の状況を確認します。アザラシの背中から吻部。美しいラインです。


知床半島にあるトッカりムイ岳。
トッカリはアザラシを示すアイヌ語です。昔からアザラシはこの辺りに多かったのでしょうか。ムイのほうはアイヌ語で「箕」。山の名前の由来としては「?」という感じです。
何か違う語源があるのかもしれませんね。

道路わきの崖から滝が流れ落ちています。
岩の表面は凍りついていますが、、一部(写真の黒っぽい部分)は氷が解けたのかもともと凍っていないのか水が流れておりました。

長いツララからも雫が垂れてくるほど暖かい日でした。

知床半島で爆発的に増えているエゾシカ。
昨日に続き本日も登場です。まあ知床に行けば普通に見かけます。たまに道路に飛び出してきます。

羅臼町市街地近くにはヒカリゴケが生息している洞窟があります。ヒカリゴケも冬の間は氷の下に閉じ込められるようです。それにしても立派なツララ!

この日は午前中一杯で知床を切り上げ、今回の旅の次の目的地、紋別に向かいます。紋別のページはこちらからどうぞ!紋別でも流氷・アザラシを見ることができました。

このページの以下では朝の流氷観光船で見たオオワシやオジロワシの写真を紹介します。

日の出の頃のオオワシ。
背景は国後島です。

国後島からのぼる太陽とオオワシ。

夜がすっかり明けました。氷の上の黒いのはオオワシかオジロワシ。うじゃうじゃいます。。。結構貴重な鳥なはずなのに。

餌を食べているオオワシとオジロワシ。
羅臼の海は間近でこれらの猛禽を見ることができる場所で世界中から鳥好きな人が集まってきます。この日も外国の方が何名か乗船しておりました。

餌を奪い合うオジロワシとオオワシ。
船から船員さんが魚の切り身を投げていました。餌付けとはちょっと違うような気がしますが人工的に餌を撒いています。
与えているのは生の魚なので添加物等は無いと思います。スナック菓子をカモメに与える観光船よりは害は無いのかなとは思います。

オオワシとオジロワシ。
餌を持っているのがオオワシ。
黒と白のツートンは美しいですね。

飛ぶオオワシ。
船の周りをぶんぶん飛びます。

これも船の周りを飛ぶオオワシ。
わっさわっさと羽の音が聞こえるくらい近くを飛びます。

オオワシとオジロワシ。オオワシのほうが若干大きいのですが、臆病なのもオオワシのような印象でした。
船にもオジロワシのほうがよく近づいてくる印象を受けました。

オオワシとオジロワシ。嘴の色や大きさの違いも印象的です。

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