母のカメラ

連休に帰省した実家で見つけた母が持っていた古いカメラ。オートフォーカスは付いておらず子供が借りて写真を撮ってもうまくピントを合わせられずピンぼけ写真を量産した苦い思い出があります。母が操作してもフィルムの巻取りがうまく行かず家族の旅行の写真が結局撮れていなかったなんてことも良くあったような。罪作りながらも想い出深いカメラです。
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何年か前、写真を撮っている姿をほぼ見ることがなくなった母(両親が写真を撮るのは大体父のコンパクトデジカメになっている)が「このカメラを私にやる」と言ってきました。が、私は最新のデジタルカメラを買ったばかりだったので、このカメラを受け取ったものの、そのまま実家の自分の部屋の棚に入れたままにしてすっかり忘れていました。そして、何気なくこの連休に棚を整理して再会しました。
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手に取るとメカニカルな感触がプラスチック多用の今のカメラとはやはり違います。フィルムは抜いてありましたがシャッターボタンもフィルムの巻き取りもまだまだ普通に動くようで空シャッターが切れました。まだまだカメラが健在なことにホッとしつつもどうしてもこのカメラを実家から離す気になれず再び実家の私の部屋の棚に締まってきました。やはりこのカメラは母に使って欲しいような。新潟の家にあって欲しいような。横浜にあるのは何か違うような・・・違和感があったのです。
横浜に戻って改めてカメラの写真を見てみるとOLYMPUS-35SPという刻印。いわずと知れたオリンパス社製。無駄のない美しいデザインでレンズとバランスの取れたのカメラだと思います。
出自を調べてみると1969年(昭和44年)発売。価格は24800円。当時の大卒の初任給が32400円という時代ですから。今で言えば15万円程度くらいの価格でしょうか。昭和44年といえば母が18歳の新卒でぴちぴちだった年。当然父とは出会う前でしょう。このカメラをいつ頃買ったか聞いても「忘れた」という母ですが、きっと独身時代の楽しい思い出が詰まっているに違いないものです。
もうすぐ母の日でその一週間後には母の誕生日。このカメラを新潟から持ってきて東京のオリンパスのサービスセンターに持ち込んで、ばっちりメンテをして母に返すというようなプレゼントもなかなかファンキーでアリだったかなぁ、と少し後悔しています。