サイト内に広告が挿入されています

佐渡の野生放鳥トキを見たい~その1~

新潟県の佐渡島。マリモやイリオモテヤマネコなど日本人のほとんどが見たこと無いのにもかかわらず日本人のほとんどが認知している動物シリーズの一つであるトキで有名な島です。
最近は環境省がトキの野生復帰事業を行っていることもあり、佐渡でトキの野生個体が繁殖したり、あるいは佐渡から本土にトキが渡ってきたりで、何かと話題になっております。カラスとかスズメとかカモメとかのその辺にいる鳥類を除けば、日本でもっとも認知されている鳥かもしれません。
私は新潟県で産まれて大学に入るまで彼の地で暮らしましたし、今でも時々帰省しております。が、佐渡は本土側から眺める島であって、渡ったことは一度もないのです。案外新潟っ子でも上陸経験は少なく、私の両祖父母と父は生粋の新潟っ子ですが佐渡に上陸したことすら無い。兄は小学校の修学旅行という半強制行事で一回渡っただけ。兄と私は同じ学校だったのですが、私の時は修学旅行の行き先が変わっちゃっいましたし。車ばかり乗る新潟人にとっては陸続きでは無い佐渡に行くのは案外億劫なもんかもしれません。
そんななじみが薄い佐渡ですが、これだけトキでフィーバーしているのを見ると、そのトキという生物のを見たいものです。11月の第一週の三連休、実家の法事の関係で新潟の実家から召集命令が掛かったのでついでに佐渡に上陸してトキを見てくることにしました。
やっぱり佐渡に行くからにはケージ越しやガラス越しの飼育トキではなく、野生に放たれたトキを見たいもの。調べたところ2013年11月現在90羽ほどのトキが野生に放たれ佐渡で暮らしているとのこと。まぁ閉じられた島ですし、半日くらいかければ一羽位は遠くから見られるんじゃないかな!ということで意気揚々と佐渡を目指し出発です。
11月2~4日が三連休。このうちの2日を佐渡にあてることに。しかし、さすがに佐渡に上陸してすぐにトキが見つかるわけでも無いでしょうから、それなりに情報収集のための時間をとる必要があります。ので、なるべく佐渡の滞在時間も長くしたい。佐渡汽船のウェブサイトを見ると佐渡に最も早く着くのは8:30着で、新潟港を早朝6時ジャストに出港。これにぜひ乗りたい。横浜の我が家から新潟港までは5~6時間というところ。。。さすがに時間的な余裕も欲しいので逆算して遅くとも23時くらいには家を出たい。
なかなかの強行軍ですが金曜の仕事を終えて自宅に帰宅し、トキを追いかける用の双眼鏡やその姿を収める用の望遠レンズ等々を用意し22時頃に横浜の我が家を飛び出します。遊びで寝不足になるのはちっとも苦になりません。
我が奥様はあっという間に助手席でご就寝。私はFMラジオの放送を聴きつつ関越道を北上します。高校の頃はよくラジオを聞いて孤独に北海道の国道をすっ飛ばしていた頃を思い出して、なんだか懐かしい気分になりますが、埼玉のあたりでは朦朧としてきつつ、群馬から関越トンネルを抜けて新潟県にはいる頃には変なテンションになって、ハイペースで長岡JCTを通過。関越道から北陸道へ。順調に3時くらいに新潟市の縁くらいに着きますが、早く船着場に行ってもしょうがないので北陸道の黒崎PAで仮眠。
5時くらいにもぞもぞ起きて、新潟港の佐渡汽船乗り場へ。早朝発便にもかかわらず、かなりの乗客数がおり、二等カーペット敷きが寝転ぶほどのスペースは無いくらいの混雑です。
もう秋も深まっており、日の出も遅い。出港後しばらくしてようやく周りが明るくなってきます。新潟市街を見つつ、洋上へ。
IMG_2124.jpg
幸いにも天気は良くて早朝の甲板をうろうろしても寒くは無い。佐渡汽船の無線設備?にも日光が当たります。雲ひとつ無い濃い朝の青空の下、朝日を浴びて進む姿は頼もしいものです。
IMG_2126.jpg
2時間も航海をすれば佐渡島が大きく見えてきます。
IMG_2130.jpg
定刻の8時半に佐渡の両津港へ入港。
さっそく観光案内所に行って「野生のトキはどこで見られますか?」とお姉さんに聞いてみます。
ちょっと伏し目がちに「相手は野生動物なのでどこで確実に見られるかは答えられないが、運がよければこの船着場のある街の近くの田んぼでも見られることがある。」との回答。
相手は野生動物ですから確実に見られますとは当然答えられません。一方で観光客はやっぱり野生のトキを見たいでしょうから、島に上陸したばかりの観光客に「見ることは相当難しいですよ」といっていきなり冷や水を浴びせるのも申し訳ない・・・、ということで、「運が良ければ見られるかも」というトーンのこのような答えになっていると思うのですが、この種の質問はおそらくこれまで何千、何万回と交わされた質問なのでしょうね。トキが希少な野生動物であるという背景を考えればこれ以上の答えようはなく至極真っ当な答えだと思います。
ターミナルを出ていよいよトキ探し、、、の前に焦ることは無い。朝飯を買って、フェリーターミナルを出て足となるレンタカーを確保します。
いい加減、昨夜からの活動で腹が減っているのでトキサーチの前に食事。焦ってもろくなことはありません。
買ったのはトキの紙パックの佐渡乳業の牛乳と地元ナカガワ製パンのバタートースト。牛乳パックはトキを模っており、パックだけでもなかなかの一品。
IMG_2136.jpg
このナカガワ製パンのバタートーストがなかなか良い味を出しています。色もトキっぽく白と赤。
IMG_2135.jpg
「このバタートーストは最高の原料と高級マーガリンと精製されたグラニュー糖で造ったおいしいバタートーストです」という文字。原材料も、、、別にうまけりゃいいですけどね、私は。
むしろ130円でこのバタートーストを作るナカガワ製パンに敬意を表します。ほんとに。一食の価値はあります。佐渡汽船の船着場でも売っていましたので佐渡に行った際はぜひ。
IMG_2141.jpg
徐々にトキっぽい話に移ります。
まずは「トキの森公園」に行って情報収集。ここはトキの飼育も行っており、ガラス越し・ケージ越しながら生きているトキを観察できる施設ですし、もろもろのトキ情報を扱っている施設です。
野生のトキを探すにしてもどの辺にいるかという情報も大事ですし、実際のトキの大きさの感覚を掴んでいたほうが見つけやすいでしょうし。野生トキを探すには欠かせない施設です。
ここではガラス越しではありますが、実際のトキを見ることができました。思ったより小さいと感じましたが、感覚としてはコサギくらいかな。そして時折、羽を広げるときに見せる「朱鷺色」の美しいこと!
ともかくこれで佐渡に行ったけどトキを見られなかったという事態だけは避けられます。いやーよかったよかったよかった(^0^)
IMG_2160.jpg
フェリーターミナルで質問したように、トキの森公園のボランティアスタッフの方にも「どこで野生のトキを見ることができますか?」と聞いてみます。
「野生動物なので、どこに行けば見られるかわからないが、運が良ければ田んぼで餌を捕る様子が見られるかも。見られるときはこのトキの森公園の周辺の田んぼでも見られることがある」とのこと。
フェリーターミナルのお姉さんよりは若干具体的ですが、やっぱり「この地点です。」というのは回答なしです。
まがりなりにもトキの野生復帰を目指してのデリケートな事業中ですから、答えにくいのでしょう。
答えにくいのを知っていてあえて聞いて申し訳なかったです。
佐渡の観光やトキに関わる方々にこの手の質問をしても明確な答えはなかなか返ってこないですが、これは意地悪をされているわけではなく、むしろトキのためです。
生息地に観光客が殺到してトキがストレスを感じてしまうというほうがむしろ問題です。。
私も観光客が得られる情報はこの程度に絞っておくべきだと思います。簡単に見られるのではなく一日じっくり探したら会えるんじゃないかな、、、くらいの情報で十分だと思います。
トキの森公園内の遊歩道のトキストーンに力を貰って、いよいよトキ捜索に出発です!
IMG_2162_20131126015932852.jpg
さて、観光案内所でもふれあいプラザでも、トキの生息地に関して出た言葉は「田んぼ」。さらにトキの森公園周辺でもトキが見られるとのことですので、まずは車で公園周辺の田んぼが拡がっている場所を回ります。
、、、、が、車でぐるぐる回ったけど見つからない。鳥自体の姿が少なく、飛んでるのはカラスがほとんどで、たまにトビが舞っているような状態。
これは私の推測ですが、トビは一応猛禽類のワシタカの仲間。こんなのが舞っているような場所ではトキも落ち着かず、田んぼにも出てこないのではと思い、トビがいる田んぼを避けるように農道を回ります。
しかし30分程度たっても、トキの気配は全くなし。時々白っぽい鳥が田んぼに立っているのが視界に入るのですが、双眼鏡で確認するとダイサギ?の類ばかりです。
視界の隅に怪しい鳥っぽい影が写ると車を止めて、双眼鏡で詳細を確認して、がっくり、、、というのを繰り返します。
さて、一時間弱くらいこんな作業を繰り返し、あまりにもトキの気配がないので、作戦を練り直し、地域を変えてみようと幹線農道から市街地に向かって走っていると、遠くの田んぼの上に白いモコモコした集団いるのが視界の隅に入ってきます。。
、、、新潟っ子の私は直感でこれが何か分かります。仙台時代にもよく見た鳥です。
ハクチョウの群れです。冬が近づくとシベリアから渡ってきて、群れを作って田んぼの上で落穂を食べたり昼寝をしたりしている巨大な鳥です。
IMG_2167.jpg
ハクチョウはなかなか優美な鳥ですし、ある意味トキより可愛い顔をしていますし、西の国や関東の人には人気の高い鳥なのかもしれませんが、北国で育った私はこの鳥自体には珍しさは感じない。のでいつもはスルーする鳥なのですが、今回は違います。
というのはこの佐渡行きの数日前、トキの情報を集めているときに「佐渡でトキとハクチョウが一緒にいる」という新聞記事を見たのです。(検索したら引っかかりました。この記事のようです。)
なので、「ハクチョウの群れにトキでも混じってないかなー」と思いながら、ハクチョウの群れの中を丹念に双眼鏡で探します。
、、、しかしやっぱりトキはいない。ハクチョウは相当大きい鳥ですし、トキともだいぶ姿が異なりますしよく見慣れている鳥なので双眼鏡なら見間違うことは無いです…。
これは残念・・・。
ハクチョウの群れをじっくり観察する前に、ハクチョウの群れからちょっとはなれた田んぼで白い鳥が3羽休んでいるのも視界の隅に捉えていました。
肉眼では大雑把な形しか見えませんでしたが、背が高そうな鳥だったので、多分サギの類だろうな~と思いつつも、ハクチョウの群れを見たあと、念のため双眼鏡を振り確認します。
、、、、やっぱりサギだな~~、、、
IMG_2169.jpg
っと思いかけたのですが、、、、、
!!!!なんか真ん中の鳥、変じゃないですか!!!!!????
サギにしては首が短く違和感があるような…
この鳥の正体は次回エントリーでより詳細な写真を載せて検証することにします。

佐渡の野生放鳥トキを見たい~その2~
さて佐渡の野生トキの捜索の続きです。 先回のエントリの最後で紹介した怪しい鳥の写真を再掲します。 左右の2羽は明らかにサギですが、真ん中の小さめの鳥はなんでしょ...

コメント

タイトルとURLをコピーしました