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知床最高峰・羅臼岳に登る~2014夏・北海道旅行・その8~

夏の北海道知床旅行の4日目。今日は知床連山の最高峰・羅臼岳に登ります。昨日はダイビングで海の中に入り、山と海をつなぐ川に暮らすシマフクロウを見て、今日は山の空の近くまで。

今回の旅は知床が世界遺産に登録された理由である「海から陸へとつながる生態系がわかりやすく見られること」を自分の目で見てやろうという壮大な目的があります。本当に慌しいけど(^^;

さて、昨夜は日中のダイビングで疲労困憊の中、23時半くらいまで鷲の宿でシマフクロウを眺めておりました。そして本日は4時起き予定でしたが、我がチームは疲労がたまっているせいか、集合したのは4時半過ぎ。しかも宿周辺はガスが濃く立ち込めている生憎の空模様。

登山のやる気は削がれますが「ウトロ側は晴れているかもしれないし、せっかく来たのだから知床峠の上に出てみて羅臼岳の様子を見て、登るか判断しよう」ということにします。
しかしテンションだだ下がりで、のろのろ用意をします。相当だらだらして、5時くらいに宿を出発。当初予定では5時に登山口に行くくらいの計画だったのですが(^^)
まぁ登山口から羅臼岳までの往復コースですからこの時間でも間に合うし、なんとかなるでしょう。

羅臼岳登山口へ

知床峠まで上がったら今日のターゲットの羅臼岳の様子がこんな感じで見えました。やはり半島南側の羅臼側だけにガスが立ち込めているようです。
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山の上のほうは急な速さでガスが動いているようですが雨は降っていなさそう。ということで登山を決行に決めウトロ側の登山口へ。

羅臼岳の登山口は主に羅臼側とウトロ側の二つがありますが、夏にガスが出やすい羅臼側は敬遠してウトロ側登山口から登ります。ウトロ側の方が行動時間は短く初心者向きでもあります。

ウトロ側登山口は岩尾別温泉木下小屋から。羅臼岳の標高は1660mで、登山口の木下小屋の標高は200mほどなので約1400mの高低差。登りは5時間、下りは4時間がコースタイム。
完全に出遅れた私たちは7時前くらいに登山口の木下小屋に到着。今日の入山届けを見るとやはり4時半~5時くらいに入っているパーティが多く、6時台はほぼ皆無・・・。7月とはいえ夏休み前の平日なので中高年チームが多そうで、総勢50名くらいが山に入っているようです。コースは私たちと同じ羅臼岳日帰り往復が大半で、残りは硫黄岳方面に抜ける縦走コースのようです。

登山開始するも体が動かなくてしんどい

早速、登り始めますが最初の1時間くらいでもうヘロヘロな私・・・。まともな登山自体が久しぶりなことに加え、連日の寝不足、前日のダイビングと疲労がたまっていることを実感します。登り始めは調子が出ないことが多いですが、それにしても「これはまずいぞ、、、」というくらい足が上がらない。。。

登山口から1時間40分で弥三清水へ。名前の通り冷たい清澄な水が流れている素敵な休憩ポイント。(妻が撮影)
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弥三清水ではエゾアカガエルがいました。知床で変温動物の両生類が活動できるのは限られた短い季節です。カエルは陽を浴びて短い夏を慈しむように盛んに活動しており、じーっと観察していると蜘蛛を捕まえて丸呑みにしていました。
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雪渓を越え高度を上げて高山植物帯へ

弥三清水から70分くらいで大沢。7月でも雪渓が残っています。
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ここら辺はようやく春がきたよう。雪解けの地面から新芽が出ています。
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雪渓の上は高山植物が咲き誇るお花畑。岩の隙間や表面から可愛い花が咲いています。バテバテの私は休憩半分で写真を撮影します。
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登山道脇で見つけた高山植物たち。エゾノツガザクラ。丸いピンクの花がきれい。
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幻想的な三角形。これはチングルマの花が終わった後(たぶん)。
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ピンクの花はエゾコザクラ。日本では北海道だけにしか分布しないそうです。
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葉っぱに着いた水滴がきれい。妻の作品。
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高度を上げると、まだ咲いているチングルマがいました。
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高木帯を抜けハイマツ帯へ

登山道の左には三ツ峰の山肌が迫ってきます。高木帯は抜けて、すでにハイマツ帯に。
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右側遠くには羅臼岳の山頂も見えてきました。羅臼平のあたりから。
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ハイマツの中の登山道を行きます。
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お腹がすいたので頂上直下の岩清水前で昼食。飯を食って再び頂上を目指します。あと30分もがんばればきっと着くでしょう。バテバテながらもよくここまで来たものです。


この後は岩場をよじ登るので、首からカメラをぶら下げるわけにはいきません。私の一眼レフカメラはザックの中へ。軽量なカメラを持つ妻がこのあたりを撮ってくれていたので彼女の写真を借ります。
頂上直下の岩場の辺りの写真。この岩の上が頂上です。一瞬で雲が立ち込めたり、霧が晴れたりを繰り返していました。(妻が撮影)
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岩の間に咲くイワブクロ。紫色がきれいな高山植物。(妻が撮影)
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羅臼岳頂上へ!

12:53に頂上に到着。のんびり撮影しながら+私がバテバテ+お昼ごはんも途中で食べて、だったので、コースタイムより1時間多い6時間くらいかかりました。頂上は雲がうず巻き、晴れと曇りが数十秒間隔で変わるような不思議な天気。
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頂上から知床半島先端~ウトロ方面(半島北側)にかけて。半島先端側は雲に覆われてた。
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ウトロ側。中央やや右に写っている河口が岩尾別川ですからあのあたりから登ってきた。よく登ってきたもんです。写真左側に写っている線は知床横断道路。
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一方、羅臼側(半島南側)。写真でも一見で雲が多いことが分かりますが、ある程度の高さから下は分厚い雲海の下。今朝もそうでしたが知床と一口で言ってもウトロ側と羅臼側で全く天気が違うことも珍しくないようです。
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頂上のふとした崖際にも高山植物のイワヒゲが咲いていました。風が吹きつけつける厳しい頂上付近にも健気に生きている植物がいます。
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頂上を下りて羅臼平へ。今度は正面の三の峰を越えて縦走コースに行ってみるのも楽しそう。
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後は延々と下り。だらだらと森の中を抜けていく道が続くので案外苦痛でした。黙々と降りていきます。下りでは途中にコゲラが木の幹に穴を開けている様子を見られたのくらいが印象に残っています。

朝、出遅れたおかげでこの時間の登山道はほぼ貸切。嬉しいのですが、ここはヒグマの高密度生息帯ですので、一人だったら逆に微妙な気持ちだったかも?というくらい静かな登山道を味わえました。

登山口の木下小屋に着いたのは16:30くらい。すでに登山者の姿はなくひっそりとしています。登頂の記念に羅臼岳の山バッジを購入。

ウトロの市街地まで車で降り、買い物をして、今日の泊地の羅臼側へ。
知床峠まで上がってくると雲海の上に羅臼岳がぽっかり浮かんでおりました。羅臼側の濃い雲海はまだ消えていないようです。
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羅臼側の様子。濃い霧の下に街はあります。この先は峠を下りて霧の中に突っ込んでいくのですが、ライトをつけないと恐ろしいくらいの濃い霧が立ち込めていました。。。
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まずは無事に羅臼岳に登ってこれてほっとします。しかし今思うと、あんな体調でよく登ったなと・・・。登山前日はゆっくり休んで体調を調えましょう。

さて、今夜も羅臼の鷲の宿で昨夜に引き続きシマフクロウ観察です。登山で疲れた体に鞭どころかドーピングをしてフクロウを追いかけます。

続きはこちら。

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