fauraのバックナンバーセール(8/23まで)

fauraという北海道の雑誌があります。
ジャンルは自然、しかし美しかったり珍妙だったりするする生き物を中心に組み立てるでもなく、かといってエコでロハスでオーガニックでマクロビアンで、、、といったような人間側の視点からの切り口で自然に切り込むでもなく、素の北海道の自然が伝わってくるような内容です。
バカ売れするような内容ではないかもしれませんが(失礼、、、)、寄稿している人も雑誌を作っている人も、北海道の自然が大好きで、何かしら想うところや伝えたいところがあり、その想いが溢れてきてきている、、、毎号テーマは異なるけど、北海道の自然を軸としていろいろな切り口の自然観が迫ってくるような雑誌です。
大仰ですがこのような雑誌の発刊が続くことも、北海道の文化を維持することなのかな、、、と思うのです。
私が雑誌「faura」の内容を聞かれたら、↑なことを思います。fauraについては過去に何度かここでも書いていますが、最初にこのブログに書いてから10年が経ってしまいました。
そんなfauraですが、この8月12日から23日までバックナンバーが40%オフの上に送料無料セールが始まっています!
割引セールのサイトはこちら。(発行元のトップページはこちら)。
私は北海道に旅行した際に札幌あたりの本屋でfauraの新刊や持っていないバックナンバーを買って、飛行機の中で読み耽ってあれこれ考えながら帰ってくるのを北海道旅行の密かな楽しみにしているのですが、(なのでこの雑誌の定期購読はあえて申し込んでいないのです。やっぱり北海道の本屋で買いたいですし、これを口実に北海道に行くのも素敵だなと思いまして。。。)
しかし、最近北海道に行っていない。4月に行ったけど、この時はアザラシとトドに夢中になりすぎて本屋には寄らずでした、、、。
残念ながら近々北海道に行く予定もないし、、、ということで、40%オフの誘惑に釣られ、バックナンバーを何冊かクリックしてしまいました。
割引時に買ってしまって申し訳ない気がしないでもないです。ので、このブログを切っ掛けに数冊でも売りあげにつながればと思い、ここで宣伝しています。琴線に触れる特集やタイトルがあれば是非。そんなタイトルのものがあれば大丈夫、購入しても絶対に後悔は無いと思います。
私の一押しは30号のアザラシと43号のマリモですが、30号のほうはsold out、、、。やはりアザラシは人気ですね。マリモのほうは、この手の生物の話が好きな人にはお勧めしますし、堅気の方でも阿寒湖の自然状態のマリモの数々の写真は結構なインパクトだと思います。パラパラめくるだけも楽しいです。
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ぜひぜひ。

「作家の住まい」を拝見

北海道旅行の記録が続いておりますが、一方で私の日常生活では細々と続いている我が家のリノベーション。この連休に大型の生活家電を入れるので、生活の中心は新居に移り、旧居は撤退方向に向かう予定です。長かった旧居と新居の往復生活もそろそろ終わりが見えてきました。
しかし新居で実際にどのように暮らすか、どうすれば快適に暮らせるかを考えるのは、まだまだ続いています。むしろ目に入る家具だったりインテリアだったりで住む家の快適さは雲泥の差が生じるかもしれません。
そんな家造りの考えのヒントを探しに行った書店の建築コーナーでふと目に止まったのが「作家の住まい」という本。
ページを繰ってみると冒頭は作家の北杜夫家の様子。二十年来の北杜夫氏の読者でありますので、この冒頭だけで本を購入してしまいました。随筆に出てきたあのシーン、本の中から想像していたものと写真からの現実のギャップに面白さと新鮮な驚きを感じます。あのハガキもここで書かれたのでしょうか。
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北家で印象深かったのは玄関の優しいただ住まい、庭の自由さ、応接間の書棚が可動ではないにもかかわらず全て高さが異なるという不思議な設計、そしてご夫人が築50年経っても襖や障子にまったく狂いが無いという担当された建築家・大工さんの技術の高さ。応接間に置かれたサントリーの”北杜”。そういえば娘さんもサントリーの社員さんでした。商品名となにか関係あるのかな?
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「作家の住まい」には北家以外にもひきつけられる家がたくさん掲載されていました。
森の中の二筋の沢沿いにある堀田善衛氏の森に面した角部屋の作業机、さりげなく置かれた鳥の置物。秋岡芳夫氏の作業机の板と自ら設計された椅子。塔本シスコ氏の団地のアトリエは団地購入者としては勇気付けられる。
我が家はオンボロ団地で、これらの作家さんの家とは比べ物にならない家ですが、家に対する愛着と大事にする気持ち、家具や物を大事にする気持ち、そして自由な心は見習いたいものです。

(掲載されている作家は永井荷風、川端康成、北杜夫、塔本シスコ、武満徹、大島渚、安井かずみ、藤田嗣治ほか。 )

本棚と北杜夫さんの本

連休中、育った実家に久しぶりに帰省。特に何があるわけではないのですが、小学生~大学院生まで入手した本を片づけず私の部屋に適当に放っておいてくれているのはありがたいものです。広い家で暮らしている人が少なくなったからこそできるのでしょうが、一方で若干寂しい。
部屋の棚からは文庫本があふれていました。実に懐かしい本。働いてからは仕事に関係あるような本くらいしか読む時間がなく、頭が固くなったような気がします。大学時代くらいまでは全くいろいろな本を読んでいたような。本棚を見ればその人の中身や性格、嗜好が判るような気がしますが、↓の私の乳臭い本棚は中島らも、海音時潮五郎、宮脇俊三、沢木耕太郎、、、今ではなかなか読めないような知里幸恵の「アイヌ神謡集」やプラトンの「饗宴」なんかもあり、これらを覚えていれば私は相当な博学なはずですが、ほぼ忘れきっているのが無念・・・。
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部屋の照明は裸電球。紐を引っ張ると隣の暗い電球が付きます。
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引き戸の中も本。ここは20年来こつこつ集めた北杜夫コレクション。金が無い学生時代に集めたものなので、ほとんど文庫本ですが。昔と変わらぬ姿で小品から有名作品まで同列に並んでいます。私の本棚くらいは北氏の代表作も小品も同列に扱いたい。こういう紙の本はコレクター魂が疼きます。
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北杜夫氏の有名作三冊(幽霊・夜と霧の隅で・楡家の人びと)。昔の新潮文庫はこのように各作が共通デザインでシンプルな表紙でした。この古臭いデザインの表紙にわくわくした記憶が染み付いています。
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コレは「高みの見物」。ユーモア小説で、北さんの小説の中では比較的地味な扱いのものですが、私が北さんの作品で初めて読んだ本です。私が中学の頃、なぜか父がぼろぼろの古本をたくさん会社からもらってきたことがあり、その中に紛れていたのがこの本。職員の休憩所か食堂か何かそんなところにあった本でしょう。うちに来た当時の時点で既にぼろぼろで紙は茶色く変色し、古本特有の臭いを発していました。
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「高みの見物」は北さんの死後に刊行された「見知らぬ国へ」の中に自身による自分の作品への書評があり「高みの見物は気に入っておらず早く絶版にしたかった」という意が書かれていて複雑な気持ちになりました。確かに北さんの作品全体から見たら航海記などのどくとるマンボウシリーズとも違うし、もちろんまじめ系の楡家や幽霊などの作品とも違うし、さびしい王様やジバコやクプクプに比べてもインパクトが無い作品というのも非常によくわかる。。でもこれに出会わなければ私は本の面白さも分からなかっただろうし大げさに言えば違う人生になっていたような気がします。私にとっては大恩のある作品です。この作品は新聞に連載したものなので、なにより読みやすく、当時中学そこそこの私が面白いと思えた作品。わかりやすさというのも大事なものです。
さて、自分の部屋で北杜夫作品を眺めているうち思い出したことがあります。すっかり忘れていましたが、中学生の頃、北さんに手紙を書いてご本人から返信を頂いていたことがありました。そのハガキは机の引き出しに大切にしまっていたのですが、、、まだあるのだろうか。漁ってみるとありました!
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エッセイにも出てきた「いろいろに使える万能はがき」。当時の自分が何を書いて北氏に送ったかは、やはり覚えてませんが、クソガキが書くものですので、ロクなことが書いていないことは想像に難くありません。そんなどうしようもない子どものハガキにも丁寧に返信を下さった北さんに頭が下がります。
好きな本に囲まれていて、あまり時間に制約されず好きに読めた学生時代は、今思えばとても幸せな時間だったような気がします。何とかしてあの頃に戻りたいような戻りたくないような甘酸っぱい気持ちになります。

生きていくことで大切なことは

賢人たちがすでに述べています。
臭い臭いと罵倒されてもそれでも生きなければならないのです。
北杜夫 マンボウ恐妻記より一節。
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どくとるマンボウ 北杜夫氏逝去

10月24日、作家の北杜夫氏が亡くなりました。84歳とのことで最晩年はさすがに著作も少なく、氏の動向を伺う機会が減っていたものの、娘さんのエッセイや、友人の阿川弘之さんの娘さんの阿川佐和子さんとの対談などでお姿を見かけることがありました。
私は北さんの本が好きで数十冊の氏の本が実家に置いてあります。どくとるマンボウ航海記、青春記、楡家に輝ける碧き空の下で、天井裏の子供たち、さびしい王様、高みの見物、幽霊、木霊、白きたおやかな峰。。。印象深い作品はたくさんあります。そういえば松本の松高記念館にも行きました。氏の作品は私に大きな影響を与えてくれました。
引っ越しを繰り返していたので本は溜まった側から実家に置いてきていますが、中学の頃に買った新潮文庫のどくとるマンボウ航海記はよれよれになっていますがずっと手元にあります。氏の航海からみればちっぽけですが北海道横浜仙台石垣横浜とすみかを代え海外にも出ました。北氏が「航海記」を出したのは昭和30年代ですから50年前の古い話。しかし全く古さを感じない文体。幾度となく読み返しましたが、久しぶりに、船が日本を離れる辺りに出てくる海の詩が読みたくなりました。
北さんのご冥福をお祈りいたします。
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ナショナルジオグラフィック2004年3月号

先々週末、慌しく徳島と新潟に行く用事があり、一晩東京に泊まりました。時間があったので東京駅の近くの八重洲ブックセンターに立ち寄りました。さすがに大きな本屋で生き物系の本の蔵書は目を見張るものがありました。送料もかからずにこの日本の外れでもマウスひとつで本を注文できる世の中ですが、やっぱりいろんな本を手にとってずらっと眺められるものは良いものでした。久しぶりに大きな本屋の面白さを感じました。
目に入った本で買ったものが、本日の日記のタイトルのこの本。
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ナショナルジオグラフィック2004年3月号。こういったバックナンバーを揃えているのもさすがです。
カナダのアザラシ猟について、反対側からも賛成側(猟師側)からも光を当てた特集を組んでいる本です。アザラシ猟をめぐるこれまでのレビューやカナダ政府担当官の捕獲許容量の出し方などにも触れています。
この雑誌が出て7年が経っているので、微妙な数字は現在とは異なるかもしれませんが、アザラシ猟に何か意見を言う方は一読の価値はあると思います。(賛成であれ、反対であれ)
本書を読んでも、私は以前からこのブログで書いているような、アザラシは持続可能な利用を図るべき生物資源のひとつだということ、アザラシを絶滅に追いやる可能性が無い限り猟などの利用を認めても良いのではないかということ、少なくとも異国から事情が良くわからない人が感情的にアザラシ猟に対して意見を言ってもしょうがないのではないか、という意見は変わらず、むしろより強く思えるようになりました。
とはいえ本書のラスト近くに「アザラシ猟は再生可能な資源を正当に利用しているだけとする立場と、タテゴトアザラシはクジラとイルカと同じく一切殺すべきではないと主張する立場のとの間には、いまだに激しい対立がある」とある通り、一筋縄ではいかないのでしょうね。。。
アザラシ猟については当ブログでもここここなどで触れていますので興味のある方はごらんいただけたら幸いです。