野生動物観察(鳥・哺乳類)とおすすめ双眼鏡

アザラシやトキなど野生動物捜索での必須アイテムが双眼鏡と思います!この最重要アイテムについて記載しておきます。

ご飯は1日くらい食べなくても死にませんし、服も一日くらいは着ていなくても風邪や肺炎になるくらいで病院にいけば何とかなりますが、双眼鏡が無いことには遠くのアザラシや鳥を見つけることは出来ません。肉眼で見える近距離に野生動物が来るのは相当限られた条件ですし、見慣れていない野生動物を探すのは困難。せっかく野生動物を見ようと思うなら、良質な双眼鏡を持っていくと旅が200倍くらい面白くなると思います。

とはいえ、最初から何万円もするような高価な双眼鏡を購入する必要は全くありません。現に2005年くらいから野生のアザラシや鳥を追いかけ始めましたが、2010年くらいまで私が使っていた双眼鏡は5000円くらいのもので、今使っているものも10000円くらいのものです。

それでは、野生動物観察に向いている双眼鏡とは、、、ですが、私が自信を持っておすすめする購入する双眼鏡は”極普通の10倍以下(8倍が推奨)のズーム機能が無い”双眼鏡です。

購入してはいけない双眼鏡というのもあり、それは怪しいメーカーの激安980円双眼鏡や怪しい通販の「10-50倍」とか「20-100倍」とかの高率ズームを謳う双眼鏡などで、これらは資源の無駄遣いのゴミカス双眼鏡を思っていただいて構いません。真っ当な双眼鏡が5000円程度から手に入るのに較べれば、これらはボッタクリもいいところです。例え980円でも全く使えない道具を買ってしまっては、お金をドブに捨てたも同然です。

 

では、具体的にどの双眼鏡がアザラシや野鳥探しに向いているか、という話ですが、簡単に言ってしまえば、日本のメーカーで皆さんが聞いたことがあるような有名メーカーの双眼鏡を買えばOKです。もちろん各社、見え方や操作性に傾向・好みがありますが、最低限の十分な双眼鏡の機能を有しています。もっと具体的に言うと「ニコン」「ペンタックス」「ビクセン」「オリンパス」「キヤノン」あたりの製品です。

出来れば実際に手にとって覗き込んで、気に入ったものを買っていただければ良いのですが、なかなか双眼鏡を並べて比較するのも大変な方もいらっしゃると思いますので、参考まで10000円以程度で手に入るおすすめの双眼鏡を以下に書いておきます。

 

PENTAX 双眼鏡 タンクローR
一番最初に掲載するのは、PENTAXが作る入門双眼鏡の定番中の定番の機種のタンクロー。8倍のモデルと10倍のモデルがありますが、おすすめは8倍のほう。倍率が高いほうがなんとなくよさげに感じるかもですが、鳥や動物を見るのは8倍くらいがもっとも使いやすいと思います。
2013年11月現在、amazonでは本機は4000円台の値段で売られていますが、値段に比べてその性能は非常に高い。今現在amazonの双眼鏡カテゴリの人気No,1ですし、口コミの評価の高さからも優秀さが伝わるのではないでしょうか。安心してご購入ください。

この双眼鏡は”双眼鏡なんか今後使うかなぁ、、”と思っている人にこそ体験して欲しい物です。鳥やアザラシなどの野生動物を見なくてもコンサート鑑賞や野球、サッカー観戦にも使えますし、これで月や星を見るのも楽しい。私もお金を持っていない大学時代にタンクローを買って、随分お世話になりました。長年このタンクローを使っていたのですが(現在は発売されていないリンク先の商品の一段階上のモデルでした)、その長年の相棒を礼文島の海岸で紛失してしまった苦い記憶があります。野生アザラシや鳥の観察にはこのタンクローでリサーチし、いるのを確認した後に写真を撮影し、ここのサイトへの掲載していました。今は違う双眼鏡を使っていますが、そんな思い出があるので、今でもタンクローが時々欲しくなります。

 

 

 

PENTAX 双眼鏡 タンクローWP

上記タンクローシリーズの完全防水タイプ。1m防水で、丸洗い可能。見え味も文句無いですが、上記タンクローの約2倍の価格。悩ましいですが、防水が必須じゃないなら私は安いタンクローRを買うかな・・・。タンクローRに較べると若干重いし。しかしフィールドで水で濡れてもいいというのは精神的には非常に具合がいい・・・。ここまで来ると購入される方の意思次第でして、見え方でこちらを購入して後悔するということは無いでしょう。

 

 

それじゃ、お前自身はどんな双眼鏡を使っているんだよ、という話ですが、私が現在使っているのも特に高い双眼鏡ではなく、入門機クラスで、↓の双眼鏡です。

PENTAX 双眼鏡 PAPILIOII6.5×21
タンクローと同じPENTAX製のPapilio。入門的な双眼鏡の倍率は一般的には8倍のものが多いですが、本機の倍率はそれより低い6.5倍。視野は明るく、十分見やすいですし、私自身が使っていますので、性能面は実感を持っておすすめできるのですが、タンクローRより若干大きいのと倍率が6.5倍という変わった倍率なのと値段もタンクローRの2倍はするということで、初めて双眼鏡なら、前述のタンクローRのほうをすすめるかな・・・。
ただ実際に使っている身としては、遠くは倍率の6.5倍はあまり8倍との差を実感していないですし、6.5倍でアザラシ捜索には十分です。この双眼鏡は、至近距離(50cm!)のものにもピントが合うという面白い特徴を持っています。昆虫や植物といった細かめの生物を観察もなかなか楽しいですし、妻は美術館にこの双眼鏡を持っていって絵の画家の筆のタッチをこの双眼鏡で観察して面白かったといっていました。

Nikon 双眼鏡 スポーツスター
非常に小型ながら、視野が広くて明るいというのが特徴であるニコンが作る双眼鏡。小型で軽いので女性向け。私の妻が使う双眼鏡がこれ。私もたまに借りてみましたが申し分ない性能でよく見えます。ただしタンクローよりは値段が高いのでそこをどう考えるかですかね。
私自身は本機のようなシュッとしたフォルムのダハ型より、タンクローRやPapilioのようなのようなずんぐりむっくりしたポロ型の双眼鏡が好きですが、これも好みの問題かな。見え味もペンタックスの方が私は好みですが、ニコン派の人もいるだろうし、製品としてはこちらも素晴らしいものだと思います。

 

 

双眼鏡の世界はお金を出せば出すほど、性能が比例して、快適さ、視界のきれいさが上がる世界なのですが(たまにそうでも無いやつもありますが)、使い倒せる価格帯の入門機のほうが気軽という面もあります。お金持ちの方はこういうのに行っちゃってください。私は試し覗きしかしたことが無いですが、その試し覗きでも入門機と違うことが分かるくらい性能はずば抜けていました。

発信機装着のアザラシ 3頭すべて消息絶つ

とっかりセンターのアザラシの保護&野生復帰事業ですよね、これ。やはり野生は厳しい。。。アザラシは食物連鎖の頂点ではないですから、他の捕食者の食物になることもあるのは自然の性ですが、やはりセンターの職員さんを筆頭に保護した方、育てた方には自然の摂理以上のものがあるかと・・・。
紋別沖:発信機装着のアザラシ 3頭すべて消息絶つ
毎日新聞 2013年06月12日 22時20分
 紋別市沖のオホーツク海で今月2日、生態調査のため衛星発信機付きで放流されたゴマフアザラシの幼獣3頭が、8日までにすべて消息を絶ったことがわかった。北海道大学北方生物圏フィールド科学センターによると安否は不明だが、外敵の襲撃などで死んだ恐れがある。関係者は「海に帰したばかりだったのに」と肩を落としている。【山田泰雄】
 市とセンターが11年度から始めた共同研究事業で、人間に保護・飼育されたアザラシの野生復帰の可能性や、回遊ルートなどを調べるのが狙い。今回は今年4?5月に保護した雄の幼獣4頭のうち3頭に発信機を装着し海に帰した。1度に複数の個体を放すのは初の試みで、新たなデータが期待されていた。
 3頭は、地元の流氷観光船ガリンコ号にちなみ「頑(がん)」「臨(りん)」「墾(こん)」と命名。3日までは▽湧別沖であまり動かない「頑」▽サロマ湖に向かう「臨」??といった興味深いデータが得られていたが、4日、湧別沖の「頑」の電波が発信されなくなり、5日には「墾」の信号も紋別北部沖で途絶。網走沖にまで移動していた「臨」も8日に消息を絶った。
 北方生物圏フィールド科学センターの三谷曜子助教(海棲(かいせい)ほ乳類・海洋生物環境学)は「発信機の故障・脱落は、わずか数日では考えにくい」として、シャチに襲われたり漁業で混獲されたりして死んだ可能性を指摘する。ただ「3頭を同じ場所で放しても、個体によって行動が異なることは確認できた」と話し、次の事業実施に向け、放流の時期などを再検討するという。   ◇
 センターは今回のアザラシに関する目撃情報を求めている。詳しくはセンター(0138・40・8836)または市観光交流推進室(0158・24・5300)。

襟裳のゼニガタアザラシの漁業被害と個体数管理が国会で取り上げられました

先日の衆議院予算委員会の中村議員に続いて今度は襟裳のゼニガタアザラシの漁業被害と個体数管理の話が国会で取り上げられました。しかも3回も。。。
記録してまいりましょう。
まずは5月9日の参議院農林水産委員会で長谷川岳議員。ここからライブが見られます。2013年5月9日の農林水産委員会で2時間42分17秒からゼニガタアザラシの話です。
議員からは絶滅危惧種(ゼニガタアザラシ)や準絶滅危惧種(トド)による農林水産漁業被害は直接補償すべきで、
中国のように保護と保障をセットですべきという話。
田中環境副大臣からは農林水産省と協議して漁業と保護の両立を図るという答えが出ています。
長谷川岳議員というとどうもYOSAKOIのイメージがあって、個人的には微妙な気持ちもありますがさすが北海道選出の議員といったところです。
次は5月13日の参議院予算委員会で横山真一議員。ここからライブが見られます。2013年5月13日の予算委員会で7時間27分20秒からゼニガタアザラシの話です。
議員からはまずはゼニガタアザラシの漁業被害と環境省の個体数管理の話を触れて、この個体数管理の方針が変わったということについてどういうことかと石原環境大臣に質問を出しました。
石原環境大臣からは絶滅危惧種に指定しておきながら捕獲して殺処分をするけど、漁業被害が減るかどうかは未知数ということもあり、絶滅危惧種を捕獲して殺処分するのは環境行政の矛盾になり慎重にする。一方で漁業被害を出さないために漁民の方に何が出来るかを調整していく、アザラシが漁網に入らないような漁法を検討するという話が出されました。その後農林水産行政と調整し漁業のあり方も検討すると答弁がなされました。
最後は5月14日の衆議院農林水産委員会で堀井学議員。ここから見られます。
北海道9区選出(室蘭~苫小牧~日高)つまり襟裳岬も含んでいます。ここはあの鳩山元首相の選挙区でもありましたが、ご存知の通り立候補しなかったので堀井議員が選出されました。折井議員というとスピードスケートの選手なイメージでしたが政治家になっていたとは。。。
議員からは長谷川議員と同様、海獣被害対策について質問があったあと、捕獲対策について環境省に但しました。
環境省からはゼニガタアザラシはレッドリストに入っている種なのでその個体数管理は慎重に行うべきであること、捕獲したとしても漁業被害の減少が確実なのか分からないということもあり、当面は被害防除を中心とした保護管理対策を行うことにしたとの説明です。具体的には音波などを使った網への侵入を妨げるような対策を行うとのこと。
議員からはゼニガタアザラシ保護管理検討会を開催し、40頭を上限に捕獲するということで地元と同意を得ていたが、なぜ防除という方針になったのかということで質問がされました。
環境省からはレッドリスト対象種を捕獲する矛盾と捕獲による被害低減が出来るかとわからないので捕獲は見合わせたとの説明です。
その後議員からは江藤農林水産副大臣に鳥獣被害による農林水産物の保障についての見解が問われました。
大臣からは捕獲をやると一回決めたらそれを実施すべきだし、直接保障についても検討していくとのことでした。
これらの答弁を受け早速動きがあるようで、今日の北海道新聞に以下のような記事が出ていました。
ゼニガタアザラシ捕殺中止 本年度、襟裳岬周辺 環境省「被害減少の確実性低い」
 【えりも】環境省は14日、襟裳岬周辺で本年度行う予定だった、国の希少鳥獣ゼニガタアザラシの試験捕殺を中止することを明らかにした。日高管内えりも町で開いた説明会で関係者に伝えた。
 試験捕殺はゼニガタアザラシによる漁業被害軽減を図るため、同省が2011年から漁業者らと手法を検討してきた。この結果、岩場に上陸したアザラシを銃で撃つ方法を採用。4月下旬には、大型連休明けに実施できるよう警察や海保などと協議していた。
 説明会は、漁業関係者ら約20人が出席し非公開で開かれた。同省の担当者が方針を転換し、混乱を招いたことを陳謝。中止の理由として、《1》ゼニガタアザラシは絶滅危惧種で個体数調整は慎重にすべきだ《2》一定数捕獲しても被害が減少するかどうかの確実性が低い―の2点を挙げた。
 同省にデータを示してきた東京農大の小林万里准教授は「個体数が減ると被害が減るとの結果を示してきたが、こういう決定が出て残念」と話した。ゼニガタアザラシの捕殺をめぐっては、石原伸晃環境相が13日の参院予算委員会で「絶滅危惧種を個体数調整、すなわち殺処分にすることは慎重に検討すべきだ」と述べていた。
アザラシの漁業被害話はまだまだ続きそうです。

北海道のアザラシ/トドの海獣被害が国会で取り上げられました

4月15日の衆議院予算委員会の第六分科会で北海道の海獣被害について取り上げられたので紹介します。
質問されたのは北海道4区選出で自民党の中村裕之議員。
北海道4区は小樽市~積丹半島あたりで、トドやアザラシの生息数の多い地域ですね。
質疑の様子は衆議院のサイトで見られますので興味のある方は是非。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42662&media_type=wb
の17時32分から。動画の時間で言うと8:51:20あたりから。
内容は私がまとめるより中村議員のサイトをご覧いただいた方が偏りがないでしょう。http://www.hiro-nakamura.jp/?p=1066
(それにしてもこの委員会、朝の九時から夜の九時までやっていたのかよ、という非常に長い委員会ですね。)
この第六分科会は農林水産省及び環境省所管の審査を行う場所ですから海獣被害についてはうってつけな議論の場です。
日本の海獣とどのように共存するかという話はアザラシ好きには永遠のそして壮大なテーマです。アザラシの未来を掲げると個人でできることはちっさいかもしれませんが、
国レベルの場でもぼつぼつ議論が出てきています。こういうネタを重要と想う方を政治に送り込むのも個人の力でもあります。
アザラシの将来が気になる方は国会の議論を聞いてみても損はないかと思いますし、
年に一回くらいはこの壮大なテーマを考えるのも楽しいものです。
アザラシ(だけでは無く野生動物全般に関わりますが)を取り巻く状況をいろいろな意味で変えるならば、法律や行政から変えていく、というのも一つの手法かと思いますし。
政治や行政となると、何かだーてぃーなイメージが無きにしもあらず(^^;)ですが、多分あらゆる意味で力を持っているのはもココ。悲しい話ですが、現実的に見てあらゆる市民活動や地道な普及啓発活動より野生動物行政に速効性を持つのがココ。(とはいえ、これらの活動が意味がないとか言うつもりは全くないです。このサイトこそアザラシの布教の最前線から今は一歩引いたくらいの場所にいるつもりですし)
清濁併せて、いろいろなものを丸飲みして現実的な力を身につけることが重要なんだなと改めて思いました。私にはそんな力はないですし、政治家になるつもりでもないのですが(^-^)
さて中村議員のお話について。冒頭ではこれまでの漁業被害額やその対策内容と対策費を明らかにしています。海獣の個体数管理への困難さは議員にあらかた同意ですが、でもやらなければならないという政府側の考えにも同意です。。。
漁業者の直接的補償は、議員の気持ちは分かりますが、意見は分かれるか。もちろん漁網などの対策の補助や技術開発、あるいは保護制度の改変は重要と思いますし、そのための個体数管理は必要だと思います。
最後のトドは水産庁、ゼニガタが環境省、ゴマフが地方自治体という縦割りの指摘は、別に海獣の種類で所管が変わるわけではなく、各種のクローズアップしている話題が、各省に別れているだけかと思います。トドは漁業被害、ゼニガタはレッドリストがメイントピックでゴマフは単なる傷病鳥獣保護しかかからないでしょうから。
多分、アザラシ好きな方の中でもいろいろな意見があって、中村議員の話に全面賛成という方もなかなかいないと思います。でもそれはしょうがないですし、それでよいと思います。いろんな方の意見を聞いて、自分なりの答えを用意して、機会があったら中村議員にぶつけてみたり、なんなら自ら議員になって役所にぶつけてみるとかいろいろ手はあります(´・ω・`)
情報収集と考えることをやめたら、千載一遇のチャンスの時に動けないかもしれません、それだけは避けたいものです。
またなんか面白いのをみつけたら紹介したいと思います。

カナダのアザラシ猟2013 

さて、春先になるとアザラシ界隈で騒がしくなるのがカナダのアザラシ猟の反対運動。
2006年くらいからたびたびこのブログやアザラシ本サイトの掲示板でも取り上げて参りました。
これはアザラシ猟に反対の署名を集めてカナダに送付をするので当サイトにも協力してほしいというような話が来たことがきっかけで、私も興味をった事が理由です。それからいろいろ自分で調べて、自分なりに考え、現段階ではカナダのアザラシ猟は反対すべきものではないと判断しているので、この手の反対運動への協力はすべて断っています(とはいえ私はアザラシ猟を積極的に推進をしたいわけでも無いですが)。
このアザラシ猟の問題ですが、これに関する私の問題点は至ってシンプルで”猟の対象であるカナダのタテゴトアザラシが減少しているか、いないか”です。
で、この点に関してカナダ政府のサイトにはアザラシが近年増えているというデータが載せている(http://www.dfo-mpo.gc.ca/fm-gp/seal-phoque/reports-rapports/facts-faits/facts-faits2012a-eng.htm#harpのEstimated recent population trends of northwest Atlantic harp seals.のグラフ)一方で、アザラシ猟の中止を求めている側からはアザラシの増減に関する数字が出ていないと認識しております。の、私はアザラシ猟には反対ではないのです。
一応グーグルとかで「アザラシ猟」とかで検索してこのブログにこられる方もいらっしゃるようなので過去の関連記事にリンクを貼っておきます。
ポールマッカートニーが怒られました。(「カナダのアザラシ猟反対運動」には反対の管理人より 2006年3月9日
「アザラシ猟反対」は正しいのか~2009年のカナダのアザラシ猟~ 2009年4月25日
冒頭に書いたとおり、この手の野生動物の保護と利用問題は至ってシンプルで「持続的な利用が可能か否か」のみが論点と思いますが、アザラシは可愛いシンボリックな動物なので、どうしても感情的に残酷とか毛皮いらないとかそんな話が出てきます。毛皮に関しては革製品を利用したり肉を食べたりしていることと一緒かと思いますので、アザラシか牛や豚馬で線引きする必要はないでしょう。人間は何かの生物を殺さないと生きていけないのは動物である限りの業でしょうし。
またアザラシの猟法が鉤の付いた棒で殴り殺すというものであり、見た目がなかなか凄惨であるため、感情的に受け入れがたいという意見もあります。一見凄惨ではありますがこれは以前のエントリでも書いたとおり、一撃で即死させる猟法のようです。またこれも以前書きましたが、猟法が気に入らないなら猟法の対案を示すべきで、猟自体の中止を求めるのは論理的に飛躍しています。猟法も銃殺が良いのか薬殺が良いのかガス殺が良いのか、わかりませんが、運搬の手間や安全性、周辺環境への影響を考えると、現在の撲殺が最も理にかなっているように思います。
下の画像はカナダのアザラシ情報を集めているときに見つけた一枚のポスター。
save.jpg
このポスターが投げかけるアザラシ猟反対運動に対する強烈なアンチテーゼに対応できる理屈はあるのでしょうか。「アザラシや牛を含め生物利用は一切ダメ」という理屈は成り立つかもしれませんが、それをしちゃったら人間は生きていきませんし・・・。
↑のポスターを解説をするのも無粋な気がしますが
vealは「肉用の子牛」の意。sealと掛詞になっているんでしょうね。つまりイヌイットの女の子二人が「肉用の子牛を守ろう」というメッセージを掲げています。で「Avoid cultural prejudice(文化的偏見をやめよう)」という言葉がついています。
==以下4/4の夜追記==
と、ここまで書いてアザラシ掲示板でゴマスケさんより補足を頂きました。(以下掲示板より引用)
「カナダのアザラシ猟について少し補足を。
愛護団体は、たしかにアザラシ猟を批判していますけど、それはロシアや中国などに輸出される商業捕獲であり、
イヌイットの伝統的な猟は認めています。(捕鯨に関しても同じ)
ですから、一部の人がいうように「文化」からアザラシ猟を認めるべきという論は成立しにくく、すれ違いになっていると思われます。
とはいえ、人は動物たちと同じく他の生き物の命を奪って生きなければなりません。どこかで折り合いがつけばいいですね。(引用終わり)
投稿いただいた通り、例えばアザラシ猟に異を唱える急先鋒の団体であるIFAWのサイト(http://www.ifaw.org/japan/node/58051)にも「IFAWは、持続可能な水準で実施されている限り、そして必要のない苦しみを最小限に抑えるために合理的な予防措置がとられる限り、先住民の人々が食糧、衣服、その他自分たちが使う製品のためにアザラシを殺すことに反対はしません。」とあります。
イヌイットの女の子のポスターに関連しますが、イヌイットの伝統的な猟と保護団体との軋轢は今は無いのかもしれません。
ここからはさらなる追記になりますが、カナダの2013年のアザラシ捕獲情報をさらっても大々的な動きは見られないです。
例えばこちらでは「For the first time in almost 20 years, the International Fund for Animal Welfare won’t be sending a team of observers out on the Atlantic sea ice during the spring seal hunt.(ほぼ20年ぶりに、IFAW(国際動物福祉基金)は、春のアザラシ猟の間に大西洋海氷上のアザラシ猟オブザーバーチームを送り出すことはありません。)」とありますし、こちらには「The Department of Fisheries and Oceans has yet to set this year’s total allowable catch. (カナダの水産海洋省は今年の総漁獲可能量を設定していない。)」とあるのでアザラシの毛皮自体が儲からなくなり猟自体が縮小しているのかもしれません。
私自身は冒頭にも書いたとおり別にカナダのアザラシ猟に積極的に実施してほしいというものでもないのですが。。。

アザラシの祖先の化石とか~国立科学博物館のアザラシ展示~

科学博物館、先回はマリモを中心になんとなくしんみりと10年を振り返りましたが、
今回は”とっかりblog”らしくアザラシ中心で参りましょう。ただあまり見る時間が無くすべての展示を見たわけではないのでアザラシ的には漏れがあるかもしれません。
アザラシ関係の展示で見つけたのは以下の三つ。
①アロデスムス~アザラシの祖先の化石~
科博のアザラシ関係で一番おもしろかったのがこれ。アザラシの祖先のアロデスムスの化石と復元した骨格標本です。
IMG_2774.jpg
しかもちゃんと日本で見つかった化石です。ゴマフアザラシの骨格は知床博物館のコーナーに掲載していますが、
だいぶ華奢になったような…。(もっともこれがゴマフアザラシの直接の祖先かはわかりませんが、、、)
私自身のアザラシ歴の中でもアザラシのご先祖様に会ったのは初めてです。
しかし、骨が残っていないところを復元したところも多く、よく補完できるなぁと感心します。
IMG_2771.jpg
②クラカケアザラシのはく製
IMG_2761.jpg
日本で見られる施設はおたる水族館だけという日本近海にいるアザラシのうちで最も珍しいアザラシが
クラカケアザラシなわけですが、その標本が科博に展示されていました。
これもなかなかレアな物かと思います。
北海道にいる生き物シリーズとして、マリモやヒグマ、タンチョウなどと一緒のコーナーにいました。
IMG_2765.jpg
③ゼニガタアザラシの剥製
IMG_2737.jpg
ゼニガタは日本ではスタンダードなアザラシですが、ゼニガタアザラシのはく製が二体、北の海を再現したコンブ林の中にありました。
訪れるちびっ子たちにラッコ、オットセイ、モグラと間違われていたのが、ご愛嬌。子供たちは思ったことを言うのでアザラシたちに対する感想を聞いているのもなかなか楽しい物です。
なかなか、珍品が多かったのでアザラシマニア的にも行く価値は大だと思いました。それ以外にも
イリオモテヤマネコっぽくないヤマネコの標本や、
IMG_2778.jpg
絶滅したと報道されたニホンカワウソの骨格標本や、
IMG_2784.jpg
恐竜の足ハンバーグなどがあります。
IMG_2747.jpg
動いているアザラシは上野動物園にゼニガタアザラシが昨年末に入りましたので、これと科博のアザラシをセットに上野でアザラシ三昧をするのも良いかもしれません。生き物好きなら見るのに一日は確実にかかると思います!
しかも公共施設なので入場料は安い!高校生以下は無料ですし。
アクセスや料金等はこちらを参照ください。