襟裳のゼニガタアザラシの漁業被害と個体数管理が国会で取り上げられました

先日の衆議院予算委員会の中村議員に続いて今度は襟裳のゼニガタアザラシの漁業被害と個体数管理の話が国会で取り上げられました。しかも3回も。。。
記録してまいりましょう。
まずは5月9日の参議院農林水産委員会で長谷川岳議員。ここからライブが見られます。2013年5月9日の農林水産委員会で2時間42分17秒からゼニガタアザラシの話です。
議員からは絶滅危惧種(ゼニガタアザラシ)や準絶滅危惧種(トド)による農林水産漁業被害は直接補償すべきで、
中国のように保護と保障をセットですべきという話。
田中環境副大臣からは農林水産省と協議して漁業と保護の両立を図るという答えが出ています。
長谷川岳議員というとどうもYOSAKOIのイメージがあって、個人的には微妙な気持ちもありますがさすが北海道選出の議員といったところです。
次は5月13日の参議院予算委員会で横山真一議員。ここからライブが見られます。2013年5月13日の予算委員会で7時間27分20秒からゼニガタアザラシの話です。
議員からはまずはゼニガタアザラシの漁業被害と環境省の個体数管理の話を触れて、この個体数管理の方針が変わったということについてどういうことかと石原環境大臣に質問を出しました。
石原環境大臣からは絶滅危惧種に指定しておきながら捕獲して殺処分をするけど、漁業被害が減るかどうかは未知数ということもあり、絶滅危惧種を捕獲して殺処分するのは環境行政の矛盾になり慎重にする。一方で漁業被害を出さないために漁民の方に何が出来るかを調整していく、アザラシが漁網に入らないような漁法を検討するという話が出されました。その後農林水産行政と調整し漁業のあり方も検討すると答弁がなされました。
最後は5月14日の衆議院農林水産委員会で堀井学議員。ここから見られます。
北海道9区選出(室蘭~苫小牧~日高)つまり襟裳岬も含んでいます。ここはあの鳩山元首相の選挙区でもありましたが、ご存知の通り立候補しなかったので堀井議員が選出されました。折井議員というとスピードスケートの選手なイメージでしたが政治家になっていたとは。。。
議員からは長谷川議員と同様、海獣被害対策について質問があったあと、捕獲対策について環境省に但しました。
環境省からはゼニガタアザラシはレッドリストに入っている種なのでその個体数管理は慎重に行うべきであること、捕獲したとしても漁業被害の減少が確実なのか分からないということもあり、当面は被害防除を中心とした保護管理対策を行うことにしたとの説明です。具体的には音波などを使った網への侵入を妨げるような対策を行うとのこと。
議員からはゼニガタアザラシ保護管理検討会を開催し、40頭を上限に捕獲するということで地元と同意を得ていたが、なぜ防除という方針になったのかということで質問がされました。
環境省からはレッドリスト対象種を捕獲する矛盾と捕獲による被害低減が出来るかとわからないので捕獲は見合わせたとの説明です。
その後議員からは江藤農林水産副大臣に鳥獣被害による農林水産物の保障についての見解が問われました。
大臣からは捕獲をやると一回決めたらそれを実施すべきだし、直接保障についても検討していくとのことでした。
これらの答弁を受け早速動きがあるようで、今日の北海道新聞に以下のような記事が出ていました。
ゼニガタアザラシ捕殺中止 本年度、襟裳岬周辺 環境省「被害減少の確実性低い」
 【えりも】環境省は14日、襟裳岬周辺で本年度行う予定だった、国の希少鳥獣ゼニガタアザラシの試験捕殺を中止することを明らかにした。日高管内えりも町で開いた説明会で関係者に伝えた。
 試験捕殺はゼニガタアザラシによる漁業被害軽減を図るため、同省が2011年から漁業者らと手法を検討してきた。この結果、岩場に上陸したアザラシを銃で撃つ方法を採用。4月下旬には、大型連休明けに実施できるよう警察や海保などと協議していた。
 説明会は、漁業関係者ら約20人が出席し非公開で開かれた。同省の担当者が方針を転換し、混乱を招いたことを陳謝。中止の理由として、《1》ゼニガタアザラシは絶滅危惧種で個体数調整は慎重にすべきだ《2》一定数捕獲しても被害が減少するかどうかの確実性が低い―の2点を挙げた。
 同省にデータを示してきた東京農大の小林万里准教授は「個体数が減ると被害が減るとの結果を示してきたが、こういう決定が出て残念」と話した。ゼニガタアザラシの捕殺をめぐっては、石原伸晃環境相が13日の参院予算委員会で「絶滅危惧種を個体数調整、すなわち殺処分にすることは慎重に検討すべきだ」と述べていた。
アザラシの漁業被害話はまだまだ続きそうです。

北海道のアザラシ/トドの海獣被害が国会で取り上げられました

4月15日の衆議院予算委員会の第六分科会で北海道の海獣被害について取り上げられたので紹介します。
質問されたのは北海道4区選出で自民党の中村裕之議員。
北海道4区は小樽市~積丹半島あたりで、トドやアザラシの生息数の多い地域ですね。
質疑の様子は衆議院のサイトで見られますので興味のある方は是非。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=42662&media_type=wb
の17時32分から。動画の時間で言うと8:51:20あたりから。
内容は私がまとめるより中村議員のサイトをご覧いただいた方が偏りがないでしょう。http://www.hiro-nakamura.jp/?p=1066
(それにしてもこの委員会、朝の九時から夜の九時までやっていたのかよ、という非常に長い委員会ですね。)
この第六分科会は農林水産省及び環境省所管の審査を行う場所ですから海獣被害についてはうってつけな議論の場です。
日本の海獣とどのように共存するかという話はアザラシ好きには永遠のそして壮大なテーマです。アザラシの未来を掲げると個人でできることはちっさいかもしれませんが、
国レベルの場でもぼつぼつ議論が出てきています。こういうネタを重要と想う方を政治に送り込むのも個人の力でもあります。
アザラシの将来が気になる方は国会の議論を聞いてみても損はないかと思いますし、
年に一回くらいはこの壮大なテーマを考えるのも楽しいものです。
アザラシ(だけでは無く野生動物全般に関わりますが)を取り巻く状況をいろいろな意味で変えるならば、法律や行政から変えていく、というのも一つの手法かと思いますし。
政治や行政となると、何かだーてぃーなイメージが無きにしもあらず(^^;)ですが、多分あらゆる意味で力を持っているのはもココ。悲しい話ですが、現実的に見てあらゆる市民活動や地道な普及啓発活動より野生動物行政に速効性を持つのがココ。(とはいえ、これらの活動が意味がないとか言うつもりは全くないです。このサイトこそアザラシの布教の最前線から今は一歩引いたくらいの場所にいるつもりですし)
清濁併せて、いろいろなものを丸飲みして現実的な力を身につけることが重要なんだなと改めて思いました。私にはそんな力はないですし、政治家になるつもりでもないのですが(^-^)
さて中村議員のお話について。冒頭ではこれまでの漁業被害額やその対策内容と対策費を明らかにしています。海獣の個体数管理への困難さは議員にあらかた同意ですが、でもやらなければならないという政府側の考えにも同意です。。。
漁業者の直接的補償は、議員の気持ちは分かりますが、意見は分かれるか。もちろん漁網などの対策の補助や技術開発、あるいは保護制度の改変は重要と思いますし、そのための個体数管理は必要だと思います。
最後のトドは水産庁、ゼニガタが環境省、ゴマフが地方自治体という縦割りの指摘は、別に海獣の種類で所管が変わるわけではなく、各種のクローズアップしている話題が、各省に別れているだけかと思います。トドは漁業被害、ゼニガタはレッドリストがメイントピックでゴマフは単なる傷病鳥獣保護しかかからないでしょうから。
多分、アザラシ好きな方の中でもいろいろな意見があって、中村議員の話に全面賛成という方もなかなかいないと思います。でもそれはしょうがないですし、それでよいと思います。いろんな方の意見を聞いて、自分なりの答えを用意して、機会があったら中村議員にぶつけてみたり、なんなら自ら議員になって役所にぶつけてみるとかいろいろ手はあります(´・ω・`)
情報収集と考えることをやめたら、千載一遇のチャンスの時に動けないかもしれません、それだけは避けたいものです。
またなんか面白いのをみつけたら紹介したいと思います。

カナダのアザラシ猟2013 

さて、春先になるとアザラシ界隈で騒がしくなるのがカナダのアザラシ猟の反対運動。
2006年くらいからたびたびこのブログやアザラシ本サイトの掲示板でも取り上げて参りました。
これはアザラシ猟に反対の署名を集めてカナダに送付をするので当サイトにも協力してほしいというような話が来たことがきっかけで、私も興味をった事が理由です。それからいろいろ自分で調べて、自分なりに考え、現段階ではカナダのアザラシ猟は反対すべきものではないと判断しているので、この手の反対運動への協力はすべて断っています(とはいえ私はアザラシ猟を積極的に推進をしたいわけでも無いですが)。
このアザラシ猟の問題ですが、これに関する私の問題点は至ってシンプルで”猟の対象であるカナダのタテゴトアザラシが減少しているか、いないか”です。
で、この点に関してカナダ政府のサイトにはアザラシが近年増えているというデータが載せている(http://www.dfo-mpo.gc.ca/fm-gp/seal-phoque/reports-rapports/facts-faits/facts-faits2012a-eng.htm#harpのEstimated recent population trends of northwest Atlantic harp seals.のグラフ)一方で、アザラシ猟の中止を求めている側からはアザラシの増減に関する数字が出ていないと認識しております。の、私はアザラシ猟には反対ではないのです。
一応グーグルとかで「アザラシ猟」とかで検索してこのブログにこられる方もいらっしゃるようなので過去の関連記事にリンクを貼っておきます。
ポールマッカートニーが怒られました。(「カナダのアザラシ猟反対運動」には反対の管理人より 2006年3月9日
「アザラシ猟反対」は正しいのか~2009年のカナダのアザラシ猟~ 2009年4月25日
冒頭に書いたとおり、この手の野生動物の保護と利用問題は至ってシンプルで「持続的な利用が可能か否か」のみが論点と思いますが、アザラシは可愛いシンボリックな動物なので、どうしても感情的に残酷とか毛皮いらないとかそんな話が出てきます。毛皮に関しては革製品を利用したり肉を食べたりしていることと一緒かと思いますので、アザラシか牛や豚馬で線引きする必要はないでしょう。人間は何かの生物を殺さないと生きていけないのは動物である限りの業でしょうし。
またアザラシの猟法が鉤の付いた棒で殴り殺すというものであり、見た目がなかなか凄惨であるため、感情的に受け入れがたいという意見もあります。一見凄惨ではありますがこれは以前のエントリでも書いたとおり、一撃で即死させる猟法のようです。またこれも以前書きましたが、猟法が気に入らないなら猟法の対案を示すべきで、猟自体の中止を求めるのは論理的に飛躍しています。猟法も銃殺が良いのか薬殺が良いのかガス殺が良いのか、わかりませんが、運搬の手間や安全性、周辺環境への影響を考えると、現在の撲殺が最も理にかなっているように思います。
下の画像はカナダのアザラシ情報を集めているときに見つけた一枚のポスター。
save.jpg
このポスターが投げかけるアザラシ猟反対運動に対する強烈なアンチテーゼに対応できる理屈はあるのでしょうか。「アザラシや牛を含め生物利用は一切ダメ」という理屈は成り立つかもしれませんが、それをしちゃったら人間は生きていきませんし・・・。
↑のポスターを解説をするのも無粋な気がしますが
vealは「肉用の子牛」の意。sealと掛詞になっているんでしょうね。つまりイヌイットの女の子二人が「肉用の子牛を守ろう」というメッセージを掲げています。で「Avoid cultural prejudice(文化的偏見をやめよう)」という言葉がついています。
==以下4/4の夜追記==
と、ここまで書いてアザラシ掲示板でゴマスケさんより補足を頂きました。(以下掲示板より引用)
「カナダのアザラシ猟について少し補足を。
愛護団体は、たしかにアザラシ猟を批判していますけど、それはロシアや中国などに輸出される商業捕獲であり、
イヌイットの伝統的な猟は認めています。(捕鯨に関しても同じ)
ですから、一部の人がいうように「文化」からアザラシ猟を認めるべきという論は成立しにくく、すれ違いになっていると思われます。
とはいえ、人は動物たちと同じく他の生き物の命を奪って生きなければなりません。どこかで折り合いがつけばいいですね。(引用終わり)
投稿いただいた通り、例えばアザラシ猟に異を唱える急先鋒の団体であるIFAWのサイト(http://www.ifaw.org/japan/node/58051)にも「IFAWは、持続可能な水準で実施されている限り、そして必要のない苦しみを最小限に抑えるために合理的な予防措置がとられる限り、先住民の人々が食糧、衣服、その他自分たちが使う製品のためにアザラシを殺すことに反対はしません。」とあります。
イヌイットの女の子のポスターに関連しますが、イヌイットの伝統的な猟と保護団体との軋轢は今は無いのかもしれません。
ここからはさらなる追記になりますが、カナダの2013年のアザラシ捕獲情報をさらっても大々的な動きは見られないです。
例えばこちらでは「For the first time in almost 20 years, the International Fund for Animal Welfare won’t be sending a team of observers out on the Atlantic sea ice during the spring seal hunt.(ほぼ20年ぶりに、IFAW(国際動物福祉基金)は、春のアザラシ猟の間に大西洋海氷上のアザラシ猟オブザーバーチームを送り出すことはありません。)」とありますし、こちらには「The Department of Fisheries and Oceans has yet to set this year’s total allowable catch. (カナダの水産海洋省は今年の総漁獲可能量を設定していない。)」とあるのでアザラシの毛皮自体が儲からなくなり猟自体が縮小しているのかもしれません。
私自身は冒頭にも書いたとおり別にカナダのアザラシ猟に積極的に実施してほしいというものでもないのですが。。。

ナショナルジオグラフィック2004年3月号

先々週末、慌しく徳島と新潟に行く用事があり、一晩東京に泊まりました。時間があったので東京駅の近くの八重洲ブックセンターに立ち寄りました。さすがに大きな本屋で生き物系の本の蔵書は目を見張るものがありました。送料もかからずにこの日本の外れでもマウスひとつで本を注文できる世の中ですが、やっぱりいろんな本を手にとってずらっと眺められるものは良いものでした。久しぶりに大きな本屋の面白さを感じました。
目に入った本で買ったものが、本日の日記のタイトルのこの本。
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ナショナルジオグラフィック2004年3月号。こういったバックナンバーを揃えているのもさすがです。
カナダのアザラシ猟について、反対側からも賛成側(猟師側)からも光を当てた特集を組んでいる本です。アザラシ猟をめぐるこれまでのレビューやカナダ政府担当官の捕獲許容量の出し方などにも触れています。
この雑誌が出て7年が経っているので、微妙な数字は現在とは異なるかもしれませんが、アザラシ猟に何か意見を言う方は一読の価値はあると思います。(賛成であれ、反対であれ)
本書を読んでも、私は以前からこのブログで書いているような、アザラシは持続可能な利用を図るべき生物資源のひとつだということ、アザラシを絶滅に追いやる可能性が無い限り猟などの利用を認めても良いのではないかということ、少なくとも異国から事情が良くわからない人が感情的にアザラシ猟に対して意見を言ってもしょうがないのではないか、という意見は変わらず、むしろより強く思えるようになりました。
とはいえ本書のラスト近くに「アザラシ猟は再生可能な資源を正当に利用しているだけとする立場と、タテゴトアザラシはクジラとイルカと同じく一切殺すべきではないと主張する立場のとの間には、いまだに激しい対立がある」とある通り、一筋縄ではいかないのでしょうね。。。
アザラシ猟については当ブログでもここここなどで触れていますので興味のある方はごらんいただけたら幸いです。

襟裳岬での漁業被害とゼニガタアザラシ~追加情報~

先日、襟裳岬のゼニガタアザラシと漁業被害についてというエントリー(以下、「先日のエントリ」)を載せました。
その後、地元の事情に明るい方から興味深い追加情報をいただきましたので、ご紹介したいと思います。
・先日のエントリにあるような傷物のサケを商品化するような試みは以前試みたことがある。しかし、傷サケはアザラシに齧られたりして殺された状態で海の中にいるので、鮮度はかなり悪くなり、身もふやけてきていて味も落ちる。現在は、そのようなアザラシが食べたサケが入っていると言う記事が掲載されるだけで、他のサケは大丈夫なのかと言ったクレームも来る。そのため、漁業者もアザラシが食べたサケを漁船にはなるべく積まないようにしたりする苦労も生じる。漁業者も捨てたくて捨てているわけではない。
北海道近海の海水温が低いとはいえ、網に入った生きた状態のサケを殺すのに比べれば、網の中で傷ついて死んだサケの鮮度は落ちますよね。
ちょっとアザラシに引っかかれたくらいなら製品にしても良いじゃないかと思うのですが、ちょっと傷ついたサケと良いサケを仕分けるだけでも船の上の作業が煩雑化するのは目に見えていますし。。。ごもっともなことです。
・襟裳岬のアザラシの数もここ25年で3倍以上に増加しており、今後も減る要素が無いので、海のエゾシカ状態にならない事を願っている。
ゼニガタアザラシの個体群の維持という観点ではアザラシの数が増えるということは結構なことですが、ゼニガタアザラシと対峙している地元にとっては良いといえる状況なのかどうなのか。エゾシカも増えていろいろな被害を出しています。いまやタンチョウでさえも増えてきて農業被害が囁かれていますが、野生動物との共存は並大抵のことではないと思います。
単純に傷サケを売って漁師の収入を確保しようというのは難しそうですね。
個人的には野生動物の管理は「安易に」行政の補助金や環境助成金、保護団体等の寄付金に頼るのは最終手段だと思っております。補助金、寄付金に頼ることができるうな構造が永続的に続くとは思えないので。。。
ではどうすればいいのかというと、もちろん素人がぱっと思いつくような答えは無いのでしょうが、サケは100g辺り部位によるけど100~200円くらいで小売に出されていると思いますので、100g当たり2~3円くらいのアザラシ保護協力金みたいな形でお金を上乗せしてみるとか思いつきましたが、既に試験的にやられているような気がします。。。そして今でも形になっているのを見ないというのは失敗しているのかな。
昨日ちょっと茶化したようなエントリで触れて反省したCOP10ですが生物資源の取り扱いの話し合いもされていると思います。関連情報が無いか注視したいと思います。
でも日本のいわゆる大衆魚と呼ばれる魚は安すぎと思います。もちろん消費者は単純に安いほうがうれしいのですが、それにしてもこれで儲けが出るのかと思うくらいの価格だと思います。

襟裳岬のゼニガタアザラシと漁業被害について

北海道襟裳岬にはこのサイトでも紹介している通り、ゼニガタアザラシが生息しています。襟裳岬のゼニガタアザラシは毛皮や脂目的で乱獲されましたが、90年代くらいからアザラシを保護する動きがあり、現在では頭数はかなり回復しています。それに比例して起きているのが漁業被害。アザラシは魚やタコなどの魚介類を食べます。体が100kgくらいあるアザラシが毎日魚介類を食べまくるわけですから、それなりに漁業被害も起こっています。
今日の読売新聞でも、COP10特集で、現在シーズン真っ盛りの秋サケもアザラシにかじられ傷が着いたり、一部が食べられたサケなどが上がっているとの記事がありました。(ネットにはアップされていないのかな?簡単に検索しましたが。。。)
サケは不漁が続いている上にアザラシによる食害も生じて大変なようです。野生動物との共生というのは、言葉触りは良いですが、実際にはとても大変なものです。都市の中に暮らしている人にとっては実感が無いから簡単にいえますが、地方で野生動物と向き合っている人にとってはまさに死活問題にもなるものです。
さて、今回の記事を読んでひとつ解決策、というほどでもないですがアイディアが浮かびました。記事の中に「これじゃあ売り物にならん」と漁師が胴体だけ残ったサケを甲板に放り投げた、という記述がありました。
アイディアというのはこの胴体だけになったサケを売れば良いのでは?という単純なものです。
サケだって切り身にしたり加工品にしたりしてスーパーに並んでいますので、頭が無かったり皮に傷がついたりしたものは別に食べられないものではないと思うのですよ。
むしろ「アザラシが食べるほど新鮮なサケをあなたも食べてみませんか?」とか「ゼニガタアザラシと共生する海で獲れたサケです。サケの一部はアザラシと分けあっておきました」とか言い張って、あえてアザラシに齧られたり引っかかれたりしたサケをえりもブランドとして売り出してみれば、生物好きやアザラシ好き物好きが買うのではと思うのです。
特に現代はネット通販で少し傷がついただけの「訳あり食品」を市場より少し安めの値段で通販で売る時代ですし、本当に品質がよいサケならアザラシが齧られたくらいで売れなくなることは無いのではと思います。
もちろんきれいなサケを使う進物用にはつらいかもしれないですが、1kgの切り身詰め合わせとか、アラ詰め合わせとか、アザラシの齧ったサケとえりも町産の野菜で作る石狩鍋セットとか、えりも漁協で通販してみるのです。
こんな売り方なら傷物だけどとびっきり新鮮な、アザラシと分かち合ったサケを捨て無くても良さそうではありませんか?むしろ生物多様性との共生、野生動物との共生ブランドとしてただのサケより付加価値をつける可能性だってあるのです。
なんか自分でもノッテきました。えりも町にメールしてみようかな(^^)本当にアザラシに齧られたサケを捨てているのかも気になりますし。