サンマ2010

毎年この季節の恒例になりつつあるようなサンマの記事ですが、今年も食べています。
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今年はサンマが不漁と聞いていたのですが、それでも石垣島で一匹99円で出ています。昨日の記事にも書きましたが、魚の価格安すぎません?消費者にはありがたい事なのですが、一匹120円くらいとっても良いのではと思います。
日本の人々は秋の新サンマは100円以下というのが常識になって染み付いていると思いますので、一匹最低120円としただけでも大騒ぎになると思います。「家計が厳しいので困る」といったような意見をしたり顔をして、テレビのスーパーでの取材で発言してしまうおばちゃんが出るような気がしますが、家計が厳しいのは生産者側の漁師も農家も一緒なのです。家計の経済力の格差は首都圏や中京の平均所得と農業や水産業のウェイトが大きい県の平均所得を比べると一目瞭然です。もちろんあくまで「平均」所得ですけどね、農家や漁師はもっと価格を上げていいと思います、首都圏向けの商品に関しては。
ですので、未加工の食材価格が高いとは生産者に言わないでください。田舎のおとうちゃんやおかあちゃんばあちゃんがかけた手間の割には相当価格を抑えていると思いますよ。ただし、スーパーでのおばちゃん発言が農林水産省の役人に向けてならOK。
もう一つ思うことですがサンマ自体の価格も安いけど、石垣島で獲れた地元の魚より北海道のサンマのほうが安いってどういうこと?北海道の漁師の収入にもあまりつながらない価格でしょうし、沖縄の漁師もたまったものじゃないでしょう、この価格のサンマが競争相手では。。。流通業、システムの発達でこの価格でこの鮮度の流通が可能になったのでしょう。もちろん沖縄から新鮮な農林水産物を東京に運べるようになったというメリットは計り知れないと思いますが、果たしてこれが地の産業に良かったのかは切り口によっては良いとも悪いとも答えは出るのでしょう。
いずれにせよ、野生動物管理は行政がお金をつける以外の方法、漁師さんや農家ができる範囲で取り組むというようなスタンスでは、彼らに生活の余裕がないと、とてもそれところではないと思います。食べていく収入確保が精一杯な状態でアザラシのことにも配慮して漁業をやってねといっても無理でしょう。
私は仕事柄あるいは生家の関係から、農家や漁師と話す機会もあるのですが、今のところ↑のようなスタンスで農林水産業と野生動物管理を考えています。
サンマから日本の水産業の産業構造、流通業の発展や野生動物管理までいろいろなことに思いをはせる秋の夜長です。

襟裳岬での漁業被害とゼニガタアザラシ~追加情報~

先日、襟裳岬のゼニガタアザラシと漁業被害についてというエントリー(以下、「先日のエントリ」)を載せました。
その後、地元の事情に明るい方から興味深い追加情報をいただきましたので、ご紹介したいと思います。
・先日のエントリにあるような傷物のサケを商品化するような試みは以前試みたことがある。しかし、傷サケはアザラシに齧られたりして殺された状態で海の中にいるので、鮮度はかなり悪くなり、身もふやけてきていて味も落ちる。現在は、そのようなアザラシが食べたサケが入っていると言う記事が掲載されるだけで、他のサケは大丈夫なのかと言ったクレームも来る。そのため、漁業者もアザラシが食べたサケを漁船にはなるべく積まないようにしたりする苦労も生じる。漁業者も捨てたくて捨てているわけではない。
北海道近海の海水温が低いとはいえ、網に入った生きた状態のサケを殺すのに比べれば、網の中で傷ついて死んだサケの鮮度は落ちますよね。
ちょっとアザラシに引っかかれたくらいなら製品にしても良いじゃないかと思うのですが、ちょっと傷ついたサケと良いサケを仕分けるだけでも船の上の作業が煩雑化するのは目に見えていますし。。。ごもっともなことです。
・襟裳岬のアザラシの数もここ25年で3倍以上に増加しており、今後も減る要素が無いので、海のエゾシカ状態にならない事を願っている。
ゼニガタアザラシの個体群の維持という観点ではアザラシの数が増えるということは結構なことですが、ゼニガタアザラシと対峙している地元にとっては良いといえる状況なのかどうなのか。エゾシカも増えていろいろな被害を出しています。いまやタンチョウでさえも増えてきて農業被害が囁かれていますが、野生動物との共存は並大抵のことではないと思います。
単純に傷サケを売って漁師の収入を確保しようというのは難しそうですね。
個人的には野生動物の管理は「安易に」行政の補助金や環境助成金、保護団体等の寄付金に頼るのは最終手段だと思っております。補助金、寄付金に頼ることができるうな構造が永続的に続くとは思えないので。。。
ではどうすればいいのかというと、もちろん素人がぱっと思いつくような答えは無いのでしょうが、サケは100g辺り部位によるけど100~200円くらいで小売に出されていると思いますので、100g当たり2~3円くらいのアザラシ保護協力金みたいな形でお金を上乗せしてみるとか思いつきましたが、既に試験的にやられているような気がします。。。そして今でも形になっているのを見ないというのは失敗しているのかな。
昨日ちょっと茶化したようなエントリで触れて反省したCOP10ですが生物資源の取り扱いの話し合いもされていると思います。関連情報が無いか注視したいと思います。
でも日本のいわゆる大衆魚と呼ばれる魚は安すぎと思います。もちろん消費者は単純に安いほうがうれしいのですが、それにしてもこれで儲けが出るのかと思うくらいの価格だと思います。

最近よく街に出てきているクマたち

COP10会場を目指しているんじゃないでしょうか。全日本クマ連合とかが呼びかけて。
自然保護原理主義になるつもりも、害獣呼ばわりして徹底射殺を訴える気もありませんが、地方ではいろんな意味で野生動物と人間の共存の問題が切実になっています。先日書いた襟裳岬のお話もそうです。
私の生まれた新潟でも猪が増えているようだと親父が言っていましたし、鹿が増えて林が坊主になる話も良く聞きます。
クマは出席できませんがCOP10で何か解決の糸口が話されると良いですね。

穏やかな秋の日

四国の徳島に行ってきました。寒すぎず厚すぎず穏やかな高曇りの日。石垣から来た身には少し寒かったけど、こういうのが日本の秋で自分が育ってきたところの秋なんだなぁと実感しました。
汽車に乗るために訪れた駅。切符を買って古い跨線橋を渡ってふと下を見たとき、こういう旅を最近してなかったな、となんだか懐かしい気分になりました。
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学生のころはあんなに旅をしていたのに。わくわくしながらよくわからない駅の跨線橋の下の出口に見える光に向かって降りたものです。なんか面白いものが無いかなと思いながら。いつのまにか社会人になって働いている自分にびっくりです。
徳島の駅前でふと目に入り購入した伊坂幸太郎の「砂漠」。そんな影響もあり、大学生の頃を懐かしく感じました。
でも、あの頃持っていなっかたのもずいぶん手に入れましたし、今の生活も悪くないです。いずれまたあの頃の風景に会いにいくこともあるでしょう。
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手に入れたものの一つ、お金
回転寿司で日本酒だってのんじゃうぜ、高そうな色の皿だって食べてしまうもんぜ~ってもんです。自分の稼いだ金で飲食できるのは精神衛生上すこぶる良いです。
那覇空港のおすし屋さんで。いや、こっちに来ると日本そば・うどん、寿司があんまり無いので、内地に戻るとついつい食べてしまいます。あと吉野家とかすき家、松屋とかも危ない店リストに入っています。

襟裳岬のゼニガタアザラシと漁業被害について

北海道襟裳岬にはこのサイトでも紹介している通り、ゼニガタアザラシが生息しています。襟裳岬のゼニガタアザラシは毛皮や脂目的で乱獲されましたが、90年代くらいからアザラシを保護する動きがあり、現在では頭数はかなり回復しています。それに比例して起きているのが漁業被害。アザラシは魚やタコなどの魚介類を食べます。体が100kgくらいあるアザラシが毎日魚介類を食べまくるわけですから、それなりに漁業被害も起こっています。
今日の読売新聞でも、COP10特集で、現在シーズン真っ盛りの秋サケもアザラシにかじられ傷が着いたり、一部が食べられたサケなどが上がっているとの記事がありました。(ネットにはアップされていないのかな?簡単に検索しましたが。。。)
サケは不漁が続いている上にアザラシによる食害も生じて大変なようです。野生動物との共生というのは、言葉触りは良いですが、実際にはとても大変なものです。都市の中に暮らしている人にとっては実感が無いから簡単にいえますが、地方で野生動物と向き合っている人にとってはまさに死活問題にもなるものです。
さて、今回の記事を読んでひとつ解決策、というほどでもないですがアイディアが浮かびました。記事の中に「これじゃあ売り物にならん」と漁師が胴体だけ残ったサケを甲板に放り投げた、という記述がありました。
アイディアというのはこの胴体だけになったサケを売れば良いのでは?という単純なものです。
サケだって切り身にしたり加工品にしたりしてスーパーに並んでいますので、頭が無かったり皮に傷がついたりしたものは別に食べられないものではないと思うのですよ。
むしろ「アザラシが食べるほど新鮮なサケをあなたも食べてみませんか?」とか「ゼニガタアザラシと共生する海で獲れたサケです。サケの一部はアザラシと分けあっておきました」とか言い張って、あえてアザラシに齧られたり引っかかれたりしたサケをえりもブランドとして売り出してみれば、生物好きやアザラシ好き物好きが買うのではと思うのです。
特に現代はネット通販で少し傷がついただけの「訳あり食品」を市場より少し安めの値段で通販で売る時代ですし、本当に品質がよいサケならアザラシが齧られたくらいで売れなくなることは無いのではと思います。
もちろんきれいなサケを使う進物用にはつらいかもしれないですが、1kgの切り身詰め合わせとか、アラ詰め合わせとか、アザラシの齧ったサケとえりも町産の野菜で作る石狩鍋セットとか、えりも漁協で通販してみるのです。
こんな売り方なら傷物だけどとびっきり新鮮な、アザラシと分かち合ったサケを捨て無くても良さそうではありませんか?むしろ生物多様性との共生、野生動物との共生ブランドとしてただのサケより付加価値をつける可能性だってあるのです。
なんか自分でもノッテきました。えりも町にメールしてみようかな(^^)本当にアザラシに齧られたサケを捨てているのかも気になりますし。