斜里町立知床博物館のアザラシ展示 2005年11月13日

斜里町立知床博物館 2005年11月13日

オホーツク海側の知床半島は斜里町の行政区域で流氷が毎年押し寄せるエリアなのでアザラシが豊富な土地です。その斜里町の中心部にあるのが知床博物館。 小さな町の町立博物館ながら周囲からの評価が高い博物館なので私にとっても気になる存在でした。念願かなって行ってきたので訪問時の様子を紹介しましょ う。

博物館ですから生きたアザラシを飼育しているわけではなく、アザラシの生態から生理、そして人間との関わりまで展示してあり、
生アザラシそのもので勝負の水族館・動物園の展示とは違うのは説明するまでも無くお分かりいただけるかと思います。また展示の都合上でしょうか照明を落と して薄暗い展示部もありましたので、多少写真がぶれてたりするのはご了承ください。

大量の剥製たち

知床博物館は大量の剥製を所蔵しているようでした。表に出ているだけでもゴマフ・ワモン・ゼニガタ・クラカケ・アゴヒゲアザラシと北海道近海に住むすべ ての種のアザラシの剥製を展示しているところは珍しいのではないでしょうか。今までは北海道近海に住む5種のアザラシを同時に見られる水族館・動物園は国 内に存在していませんでしたから(つい先日おたる水族館が生アザラシ5種を揃えたようですが…)これだけでも見る価値のある施設だと思います。

梁の上に置かれているクラカケアザラシの剥製。

クラカケアザラシですね。クラカケアザラシの実際の「鞍掛け」模様を見ることができる場所は珍しいのではないでしょうか。

一番奥のそっぽを向いているのがアゴヒゲアザラシの剥製。
手前の白いアザラシはなんだったかなー。

ワモンアザラシの剥製です。

右上のワモンアザラシとゴマフアザラシの剥製。

階段のちょっと暗いところに追いやられていたゴマフの剥製。

展示スペースに入りきらないほどの剥製を所有する知床博物館。
剥製貯蔵室みたいなのがガラス越しに見られます。
覗いたら大量の剥製(アザラシ含む)がありました。

棚のアザラシ剥製。多分ゴマフアザラシでしょう。

覗き窓の真下にはクラカケアザラシの剥製がありました。

これは真っ白な剥製でした。ゴマフアザラシかな?

ゴマフアザラシの剥製だと思います。

これもゴマフかな?
まだまだ死角になっていたところに
アザラシ剥製があったかもしれません。

骨格標本
続いてはアザラシの骨の標本です。あまり他では見たことが無いものなので興味深いです。アザラシ以外 にもいろんな生物の骨が置いてありました。


ゴマフアザラシの頭の骨。いわゆるアザラシの髑髏なのかな?

これなんだと思います?
左のアザラシの下にあった標本です。
これはヒグマの頭の骨です。
左のアザラシの骨と似てますよね。
これを見るとアザラシの祖先はクマや犬と
共通だったというのがうな ずけました。

ゴマフアザラシ(左)とオットセイ(右)の頭骨。
耳たぶがあるかないかは、アザラシとアシカの仲間(トド、オットセイなど)の違いなのですが、耳 周りの骨も違うそうです。

アザラシの骨格標本。
この標本は博物館の入り口近くにありました。

アザラシ・アシカ・クジラの骨格の図。


左の骨格図の上の展示は、とっかりブログで紹介した大泰司先生の仕事から作ったパネルがありました。大泰司先生は生きたアザラシを捕まえリュックに入れ電 車で持ち帰り食べた先生です。

アザラシ土偶
博物館一階にはアザラシに関する民俗学的な展示がありました。


昔の人が作ったアザラシの土偶です。
骨で作っても土偶と言うとは知りませんでした。
アザラシ土偶はちゃんと足があって
短い前鰭がありなかなかな出来栄え でしたよ。
500円くらいで似たようなのがあれば
買っても良いと思えた品質でした。

左のアザラシ土偶を作った民族の説明。
氷海の民と呼ばれ航海術に長けアザラシや海獣などを
狩って暮らしていたそうです。
北海道の原住民族というとアイヌ民族を想像しがちですが
この民族とアイヌ民族は別民族のようです。


アイヌ民族の伝説とアザラシ猟

次はアイヌ民族のアザラシ伝説があったので紹介します。


挿絵1
夫婦とアザラシの絵ですね。

伝説1
続きは左下。

伝説2
美しいアザラシ。
とっかりセンターのナオミみたいなやつかな?続きは右

伝説3
続きは左下

伝説4

挿絵2

これは伝説とは関係ありません。
アザラシ猟の様子です。

近年のアザラシと人間
大正~昭和の道具やら風俗を紹介するコーナーにアザラシ皮を使った品が2点ほど展示されていました。ゴマフ模様は私も美しいと思いますが、毛皮のために アザラシが殺されるのはやはり忍びないです。


アザラシ皮のコート、襟と袖のところは他の獣の毛でした。

アザラシ皮のカバン。


特別展「世界遺産 知床」

知床博物館とつながっている交流記念館では特別展が開かれていました。知床博物館はこういう特別展をたまにやっています。


世界遺産・知床
スペースはそれほどでは無いのですが展示は面白かったですよ。
知床の希少種・絶滅危惧種・固有種をまとめた表が印象に残っています。

特別展に出張していたゼニガタアザラシ。
知床にゼニガタのイメージは無いですが
昭和30年代くらいまではいたようです。

知床の動物についてのパネル。
もちろんアザラシも紹介されています。


アザラシ資料集

以下は知床博物館で販売したり配布しているアザラシ関連の資料です。これらの中身を見るとさすが評価の高い知床博物館だなぁと思います。


「第20回特別展 知床の海獣狩猟」の冊子です。
表紙は昔のアザラシたちの絵のようでしたが昔から何種かに分かれて認識されていたようですね。中は知床だけではなく海外の海獣狩猟についても書かれてあり ました。海外のワモンアザラシを使った浮き(ブイみたいな使い方だと思いますが)の写真が印象に残っています。300円。

知床博物館が刊行している郷土の学習シリーズの第10集。
知床の哺乳類についてまとめてある本です。海獣以外にもエゾシカやヒグマなどの陸上の哺乳類についても掲載してあります。このシリーズは知床斜里駅の売店 にも置いてあるので知床博物館まで行くことができない時でも購入できます。500円。


海獣の剥製コーナーにおいてあったA4版のパンフレットです。表はカラー、裏は単色ですが表は赤ちゃんの写真を使って目を引き、裏でコアなアザラシの説明 をしています。とてもわかりやすい説明です。これは無料。

私は2005年11月13日の日曜日の午後に訪れたのですが客が己一人という状態で非常に落ち着いて楽しむことができました。むしろたくさんの剥製に囲 まれて怖いくらいでした。JR知床斜里駅から歩いて15分くらいなのでふらっと訪れた際に寄ってみるのも良いかもしれません。入場料は大人300円。月曜 日が定休の9時~17時に開館しています。

2005年11月22日作成