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アザラシの個性~オホーツクとっかりセンターのコムケを例として~

ここはオホーツクとっかりセンター在住の食いしん坊ゴマフアザラシの”コムケ”を例にして、アザラシも個体ごとに個性があることを紹介したいコーナーです。

(このサイトでは多くのアザラシが登場していますが、特定の個体にフォーカスすることはほとんどありません。これは私は特定の個体を追いかけることがあまりないからなのですが、コムケを中心としたとっかりセンターの個体たちはなぜか気になるのと、今回はアザラシの”個性”を紹介するために”コムケ”単体を掘り下げてみました。)

コムケの特徴~基礎編~

1989年5月に紋別近郊のコムケ湖に迷い込んでいたところを保護されたメスのゴマフアザラシ。この年に産まれたと思われます。名前は保護されたコムケ湖から。

・片目(*)を怪我しているので白くなっている。

そして一番の特徴が
・とっかりセンター内のアザラシの中でも無比の食いしん坊アザラシであるということです。食い意地だけならオスアザラシに負けません。

(*職員さんに伺ったところ、保護されたときすでに片目を失明していたとのことでした。もう片方の目は「今のところ大丈夫ですが、最近たまに白いものが入ることもあり目薬を差している」と のことです。また、時々見えていないのか職員さんの出す指示に鈍いときもあるようです。)

給餌解説中のコムケ
プール中のコムケ

ちなみにこのサイトの背景画像はコムケの背中側の模様をもとに加工・作成した画像です。

このサイトの背景画像。コムケの背中の模様を基に作成しています。

コムケの特徴~応用編~

いつもエサが大好き。給餌解説への出勤率は最高レベル

餌が大好きなコムケ、餌をもらえる給餌解説イベントにはほぼ毎回出勤します。私は何回もとっかりセンターのメスゴマフの給餌解説を見ましたが、私が見たすべての解説イベントで、コムケは最初から最後まで職員さんの持つ餌入りバケツの近くに張っていました。 たまにバケツを覗いたりあからさまに顔を突っ込んで怒られています。

この給餌解説の際、アザラシの中には餌だけ貰って解説に参加せずさっさとプールに戻ってしまう ”食い逃げ”をするアザラシもいたりしますが、コムケが食い逃げをしたのは見たことがないです。

お客さんが多いときにはアザラシもなかなか出てこなかったりプールに戻った りして、お客さんの前に踏ん張っているアザラシがコムケのみという事態になったこともありました。コムケはいつもお客さんに可愛がられています。

・餌を奪うのは大の得意
コムケはとっかりセンター無二の食いしん坊アザラシ。自分の分の魚をもらってもまだお腹が空いているのか、職員さんが手に持っているホッケを 隙を見て奪ったり、他のアザラシが食べている餌を横取りしたり、職員さんの持っている餌入りバケツに顔を突っ込んだりします。

・繁殖期も夏バテも関係ない。常時餌が大好き。
メスのゴマフアザラシは春先の繁殖期になるとあまり餌を食べないようになります。しかしコムケは繁殖期でも関係なく餌を食べます。5月のメスのゴマフアザラシの給餌解説の際も一頭だけ元気よく飛び出してきました。担当職員さんによると繁殖期にまったく餌を食べなくなるアザラシもいて体調管理に気を使うそうなのですが、コムケはまったく気を使わなくて済む、、とのこと。
また中には夏の暑さに参ってしまい夏バテになるアザラシもいるようですが、8月のコムケは元気よく餌を食べていました。

コムケはこのように愛すべきキャラクター食いしんぼうアザラシです。
とっかりセンター に行ったらコムケの食いしん坊ぶりを応援してください。真っ先に餌に駆け寄ったいたら、それが彼女が元気な証拠なのでしょう。ただダイエット中で餌をあまりもらえていないかもしれませんが…。

餌が欲しくてしゃちほこみたいに伸びているのがコムケ
女の子なんだから、その「狙ったホッケは逃がさねぇ」と言わんばかりの顔でホッケを狙うのはやめたほうがいいと思うんですよね。
コムケ、餌の入ったバケツを覗きすぎ。
カリカリと短い手で餌をねだるコムケ

顔もいかつい

コムケはメスのゴマフアザラシなのですが、顔はけっこう強面です。オスより凛々しい顔をしていますから。

アザラシは大きな黒目が可愛く見えるのですが、コムケは目が小さいですし。

アザラシではない人間(の中の日本人)基準での判断なのですが、やはりアザラシにも鼻筋の通った「美人顔」のアザラシがいます。ちなみにとっかりセンターで飼育されているアザラシの中では ナオミが美人顔と言われています。

コムケの顔、アップ

自分の子ども以外の赤ちゃんにミルクをあげた

同じとっかりセンターで飼育されているメスゴマフアザラシのハナジロと同じ時期にコムケも赤ちゃんを産み、ハナジロの子供(とっかりセンターで飼育されているカズキ)にもミルクをあげたという変わった話の持ち主です。野生動物は自分以外の子供の世話をすることはまれだと思います。食いしん坊コムケのミルクを貰ったせいかカズキは大柄に育ったそうです。

ハナジロとはとても仲が悪い

↑のようなことがあったせいなのか、同じとっかりセンターで飼育されているメスゴマフアザラシのハナジロとはとても仲が悪いそうです。ハナジロがお母さん役を取られて怒ったのでしょうかね?ハナジロも食いしん坊なのでホッケの取り合いになってしまうからでしょうか?

奥がコムケ・コムケに前足を乗せている手前がハナジロです。ハナジロも食いしん坊で、ホッケを貰うためには共闘します。コムケは職員さんの手を噛み、ハナジロは口で押して「ホッケちょーだい!」

超大柄アザラシでしたがダイエットに成功

コムケは2005年ダイエットに成功し、体重が5月には98kg、8月には86kgまで体重が落ちたそうです。ダイエット成功を祝ってこんなグラフまで作ってしまいました。
ゴマフアザラシは冬に備えて脂肪を貯え、暖かくなるにつれ痩せるそうです。以前の食いしん坊コムケは夏でも体重が100kgを下回ることがなく、真夏になると暑すぎるのか息が荒くなったりしていたそうです。

クリスマスイベントでテレビ・新聞デビューを飾る

とっかりセンターは2005年のクリスマスにサンタやトナカイに扮したアザラシと記念撮影をするというイベントが行われました。このイベントにコムケも出動し、テレビや新聞によって北海道のローカルニュースに登場していました。

このイベントに参加できたアザラシは「物怖じしない性格」の少数精鋭部隊。さすがコムケです。

クリスマスイベントでサンタの格好をしているコムケ

とっかりセンターで飼育しているアザラシの中でも人気薄なアザラシ・・・

コムケの担当職員さんによるとその強力な食欲が災いしてか、とっかりセンターの飼育アザラシの中でもあまりファンがいないアザラシなのだそうです。ちなみにアタック(故人)や大吉丸が人気者だそうです。

オスアザラシからも人気薄なアザラシ(^^;

コムケは繁殖期に間違ってオスアザラシのプールに入ってもオスから振り向きもされないそうな・・・。オスからも人気薄なゴマフアザラシ、、、

と、私は聞いていたのですが、なんとそんなコムケにも子供が産まれました!

コムケお母さんになる!

実は私もまだコムケの子を見ていないので公式サイトから。

公共施設|市政情報|紋別市
北海道紋別市の公式ホームページです。公共施設についての情報を掲載しています。

とっかりセンターで14年振りに2012年に誕生したアザラシ「海」のお母さんがコムケ。お父さんはカズキ。カズキといえばグーグとハナジロの子で、上で紹介したようにコムケの乳を飲んで育った子。大きくなったらその乳母と子供を作る、、、。源氏物語の世界のようですね。

ハナジロとコムケは上で紹介したように仲が悪いのですが、嫁姑関係になってしまいました。嫁姑問題とかあるのかな。餌のホッケの奪い合いくらいしか火種がなさそうな気もしますが。

 

給餌解説中のコムケの写真・動画

餌をねだったり、奪ったり…給餌解説はコムケが最もコムケらしくなる時間です。


動画(1.6MB)
・他のメスアザラシが繁殖期で食欲を失っている時でもコムケには関係ありません。給餌タイムでは一頭だけすばらしい速さで馳せ参じていました。
上の写真だけでも他のアザラシがやる気がない中、一頭だけやってきているのがお分かりいただけるかと思います。中央下がコムケ (2005年5月)

動画(718KB)
・職員さんが持っている餌入りバケツからは離れない、そしてバケツを覗き込み叱られます。
職員さんの一言「コムケ、バケツを覗き込まないでください」(2005年5月)

動画(2.3MB)

・給餌タイムのときは餌を貰うために一生懸命職員さんの指示に従おうとし ます。上の写真では職員さんのすぐ下にいて隣のアザラシに噛み付いているやつがコムケです。
職員さんの一言「コムケちゃんはとりあえずご飯が食べたい」(2005年5月)

動画(1.2MB)
・でもたまに職員さんの指示を飲み込めておらず、別なことをしたりします。これは給餌の最後、前肢(鰭)を振っ てバイバイをしている場面なのですが、左下のコムケは口を大きく開けています。解説の中には大きく口をあけるという場面もあるのですが…(^^;
職員さんの一言「お魚狙うだけじゃなくてがんばろ!」(2005年6月)

動画(2.1MB)
・コムケ、隙あらば職員さんのホッケを奪います。(2005年5月)

動画(911KB)
・最後のバイバイしている場面です。太っているせいか他の子達のように手が上手く回りません。
職員さんの一言「太っているので手が回らないらしいですけどね(笑)」(2005年5月)

動画(1.0MB)
・仲間におしっこをかけられてもバケツからは離れません。おしっこをしているのはヒロ(2005年5月)

動画(5.5MB)
メスの給餌解説の様子です。一番に出てきた のはやはりコムケ!続いて「あ゛うあ゛う」はなこ。
上の写真では鼻を職員さんの手につけている手前のアザラシがコムケ、奥がはなこです。(2005年8月)

動画(3.5MB)
・お腹を見せる指令が出ますがコムケはやりませんでした。真夏の暑いときはコムケもだらけます。餌を貰えそうなときは素早く反応します が…。コムケ賢すぎ。(2005年8月)

餌ねだり中のコムケです(2005年6月)

給餌解説中の指示で口を開けるコムケです。
鼻に血がついていますが、餌の魚の血です。
(2005年8月)

職員さんに口を開けられるコムケです。ヨダレの膜ができるほどぬるぬるのヨダレです。
(2005年8月)

職員さんの手に噛み付くコムケ
(2005年8月)

動画(2.7MB)
職員さんの手を噛むコムケ、繁殖期でもオスから見向きもされない話が出てきました(^^;

夏休み餌やり体験でコムケに餌をやってきました(2005年8月13日)

 2005年の8月、オホーツクとっかりセンターでアザラシに餌やりが体験できるイベントが行われました。ここで念願のコムケに餌をやることができました。
 これがまたとても暑い日でコムケの方も暑さで少々朦朧としているようでした。餌をやりつつ、指示を出すことができるたですが、コムケはあまり指示に従いませんでした。やはりお客さんの指示では従いにくいのかな。それでも楽しくも貴重な体験ができました。


動画(6.3MB)
餌やり体験に出てきたコムケ。まずはセンターの職員さんがお手本を見せます。

職員さんがお手本で持っているホッケに良い勢いで反応するコムケ。

人差し指を出したらあ~んと口を開けます。

握手ですね。コムケは左手が利き手みたいです。バイバイも左手でやります。

手の平をかざせばこの通りごろ~んと寝転がります。

餌やり体験に参加した際にいただいたコムケシールです。

 

コムケと担当職員さんと

2005年の8月にとっかりセンターを訪れた際、コムケの担当職員さんとお話をさせていただきました。この時コムケについてもいろいろなお話を伺いました。そのときのお話がこのコムケのコーナーにいかされています。


動画(787KB)
口を開けられるコムケ。この表情は私が最も好きなコムケの表情かもしれません。

担当職員さんと手を振るコムケ。コムケの給餌体験にも参加しましたが、やはり怪しげな客の私と担当職員さんではコムケの反応は雲泥の差。

手をグーにして差し出すと鼻をつけてきます。

動画(914KB)
プールに戻っていくコムケ。暑そうにしていました(^^;

プール内のコムケと担当職員さん。お母さんの言いつけを聞いている子供みたいに見えます。
 
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